目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
失いしもののひとつに万愚節 郡山市 高木 茂子
戦後流行したエイプリル・フールの嘘(うそ)も最近は下火になったが、この句はそうした風俗ではなく、自分の生活から、それが失われてしまったと嘆く。
冗談に笑ってくれる家族がいなければならないからだ。 【 矢島 渚男 選 】
戦後流行したエイプリル・フールの嘘(うそ)も最近は下火になったが、この句はそうした風俗ではなく、自分の生活から、それが失われてしまったと嘆く。
冗談に笑ってくれる家族がいなければならないからだ。 【 矢島 渚男 選 】
白魚網水のかたまり掬ふやう 水戸市 中崎 正紀
水のように半透明な白魚の漁。 それは水の塊を掬 (すく) っているようだ、 という確かな写実句である。 【 矢島 渚男 選 】
水のように半透明な白魚の漁。 それは水の塊を掬 (すく) っているようだ、 という確かな写実句である。 【 矢島 渚男 選 】
ひとひらはそらのはてまで山桜 稲沢市 杉山 一三
山桜一枚の花びらが風にのって高く舞い上がり、見えなくなるところへ消えていった。平かな表記の柔らかさが花びらのように見える。 【 宇多 喜代子 選 】
山桜一枚の花びらが風にのって高く舞い上がり、見えなくなるところへ消えていった。平かな表記の柔らかさが花びらのように見える。 【 宇多 喜代子 選 】
雀の子糞のふるまひから覚ゆ 北本市 萩原 行博
「糞(まり)のふるまい」とは品のある言い方。庭に来た雀の親子だろうか。餌はまだ親にもらっても、糞(ふん)はもうちゃんと出来るのだ。 【 正木 ゆう子 選 】
「糞(まり)のふるまい」とは品のある言い方。庭に来た雀の親子だろうか。餌はまだ親にもらっても、糞(ふん)はもうちゃんと出来るのだ。 【 正木 ゆう子 選 】
看取るとて手足さすりてやりしのみ我を遺して母は逝きたり
竹原市 岡元 稔元
看病をするといっても重態の母に男の手でできる事は、せいぜい手足をさすってやることくらいだった。亡き母をめぐって胸の内に繰り返す、つきる事のない子の思い。
【 岡野 弘彦 選 】
竹原市 岡元 稔元
看病をするといっても重態の母に男の手でできる事は、せいぜい手足をさすってやることくらいだった。亡き母をめぐって胸の内に繰り返す、つきる事のない子の思い。
【 岡野 弘彦 選 】
木蓮のグウチョキパアと咲きにけり 丸亀市 久保谷 幸正
モクレンの花が開いてゆく。最初はジャンケンのグウの形、つぎはチョキ、そして開ききってパアの形。楽しく自然を観察している。 【 15.04.27 矢島 渚男 選 】
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春の陽にグーチョキパーで咲いてゆく辛夷の今日のチョキを楽しむ
平塚市 小林 真希子
辛夷(こぶし)の語源は、蕾(つぼみ)がこぶしに似ているからという説があるが、その後のチョキトパーにまで連想を広げた比喩の力に脱帽だ。「これから」 を感じさせるチョキを愛でるところも、いい。 【 15.05.04 俵 万智 選 】
モクレンの花が開いてゆく。最初はジャンケンのグウの形、つぎはチョキ、そして開ききってパアの形。楽しく自然を観察している。 【 15.04.27 矢島 渚男 選 】
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春の陽にグーチョキパーで咲いてゆく辛夷の今日のチョキを楽しむ
平塚市 小林 真希子
辛夷(こぶし)の語源は、蕾(つぼみ)がこぶしに似ているからという説があるが、その後のチョキトパーにまで連想を広げた比喩の力に脱帽だ。「これから」 を感じさせるチョキを愛でるところも、いい。 【 15.05.04 俵 万智 選 】