目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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    靖国の花いちはやく見ていまさむ花と散りたる若き英霊
                         高松市  広瀬 恵美

現在でも、靖国神社の庭の桜の開花が、東京の春の予兆のように報じられる。以前からこの場所は、多くの宗教団体が集まって布教活動をする所だった。昔のにぎわいは無くなったが、今もこの庭に立つと、私は身も心も引きしまるような思いがする。                                   【 岡野 弘彦 選 】



    年の差が71の友達よ隣のゆいちゃん3才おはよう
                         四街道市  須崎 輝男                           
私74歳、隣のゆいちゃん3歳。年の差71歳でも親友なのだ。おはよう、おはよう今日もいい天気だね。まことに楽しく、うるわしい関係である。孫子の歌はたくさんあるが、隣の子供の歌はごくめずらしい。こういう友人がいることはどれだけ人生をゆたかなものにすることか。万人、羨(うらや)む。            【 小池  光 選 】 
 


    「春だからまぶしいんだよ」雪かきの小二の少年弟に言ふ
                         狭山市  家坂 宏子

気温や風向きなどによって雪は明るさや重さが変わる。いつも雪かきの手伝いをする少年はそのことを知っている。体験に基づいた言葉には確かな説得力があり、弟へ語りかけているところに臨場感があふれている。春先の雪も少年も弟も、みんなまぶしい。読者の心まで明るくなる一首である。         【 栗木 京子 選 】   



    瞬きに似た感覚で降り出した雨の視線を浴びて帰ろう
                         高島市  宮園 佳代美

ぽつぽつとくる雨の降り始めをとらえた「瞬き」が印象深い。それを受けての「視線」も、比喩の連なりが滑らかで、雨に優しく見守られている気分が伝わってくる。視線を「浴びる」が動詞本来の意味を取り戻すのも面白く繊細だ。宮園さんは、相聞の秀歌も多い一年だった。                       【 俵  万智 選 】
 



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