目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
わくわくす高が目高の卵見て 町田市 枝沢 聖文
「囀(さえずり)りを撮るといふ人雑木山」、「つぎつぎと堰に飛びつき鮎上る」、
「土俵さえ凹めて力相撲かな」など新鮮な発想と確かな写実力を見せた枝沢聖文氏を推す。 この句は水槽の目高が藻の中に産んだ小さな卵を見付けた感動を詠っている。 「わくわくす」と素直に、そして「高が」と屈折する気持ちに及ぶ表現が見事であり感銘を受けた。 【 矢島 渚男 選 】
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何百年経ても八月十五日 川崎市 羽根田 明
昭和20年8月15日を知る人ならではの句。その体験がなければ 「何百年経ても」という強い言葉は出ては来なかったろうと思う。あの悲劇を後世に残したくないという祈念の言葉。思いの深さを句にすることは至難だが、自分の感慨を述べる事を絶ったことで、そこが強く見える句となった。 【宇多 喜代子 選 】
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汗の子を捕へてみれば滑るなり 相模原市 芝岡 友衛
走り回っている子供を戯れに捕えようとしたら、ぷりぷりの体が汗で濡れて、つるっと滑る。 エネルギーの塊のような子は、おそらくお孫さんだろう、と思うのは、この句が とても客観的だからだ。 中七も、さりげないが、味のある表現。 触感に徹した句であればこそ、子供の生命力が読み手にまで伝わってくる。 【 正木 ゆう子 選 】
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木蓮やガラムマサラの匂ふ夜 名古屋市 大島 知津
まず素材が新鮮だった。「ガタムマサラ」はインド料理に使う調味料。 カレーに この粉末を振ると、さらに香り高くなる。 木蓮は折り取った一枝が室内に生けてあるのか。 窓から花がのぞいているのか。 エキゾチックな色と香を持つ花とインド産の香辛料とが、よく響きあっている。斬新な取り合わせに強く惹(ひ)きつけられた。
【 小澤 實 選 】
「囀(さえずり)りを撮るといふ人雑木山」、「つぎつぎと堰に飛びつき鮎上る」、
「土俵さえ凹めて力相撲かな」など新鮮な発想と確かな写実力を見せた枝沢聖文氏を推す。 この句は水槽の目高が藻の中に産んだ小さな卵を見付けた感動を詠っている。 「わくわくす」と素直に、そして「高が」と屈折する気持ちに及ぶ表現が見事であり感銘を受けた。 【 矢島 渚男 選 】
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何百年経ても八月十五日 川崎市 羽根田 明
昭和20年8月15日を知る人ならではの句。その体験がなければ 「何百年経ても」という強い言葉は出ては来なかったろうと思う。あの悲劇を後世に残したくないという祈念の言葉。思いの深さを句にすることは至難だが、自分の感慨を述べる事を絶ったことで、そこが強く見える句となった。 【宇多 喜代子 選 】
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汗の子を捕へてみれば滑るなり 相模原市 芝岡 友衛
走り回っている子供を戯れに捕えようとしたら、ぷりぷりの体が汗で濡れて、つるっと滑る。 エネルギーの塊のような子は、おそらくお孫さんだろう、と思うのは、この句が とても客観的だからだ。 中七も、さりげないが、味のある表現。 触感に徹した句であればこそ、子供の生命力が読み手にまで伝わってくる。 【 正木 ゆう子 選 】
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木蓮やガラムマサラの匂ふ夜 名古屋市 大島 知津
まず素材が新鮮だった。「ガタムマサラ」はインド料理に使う調味料。 カレーに この粉末を振ると、さらに香り高くなる。 木蓮は折り取った一枝が室内に生けてあるのか。 窓から花がのぞいているのか。 エキゾチックな色と香を持つ花とインド産の香辛料とが、よく響きあっている。斬新な取り合わせに強く惹(ひ)きつけられた。
【 小澤 實 選 】
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