目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[172]  [171]  [170]  [169]  [688]  [168]  [167]  [166]  [165]  [164]  [163
 奥千本西行庵の寒の月   
               愛知県  山崎 隆吉
奈良県吉野山の最奥、金峯山神社のある辺りを奥千本といい、西行庵は神社のさらに奥の小さな台地にある。文治年間(1185~90)西行が俗塵(ぞくじん)を避けて、3年間ここで幽居していたという。『山家集』に「寂しさにたへたる人の又もあれな庵双(なら)べむ冬の山里」とある。いま桜の木に囲まれた庵に、寒の月が煌々と射している。      【 森 澄雄 選 】


 杜甫李白西行芭蕉秋千歳   
               船橋市  藤井 元基
誰もが知っている詩人四人の名を連ねただけで句が生まれたのも、この人たちの残した詩の強さが芯になっているからだろう。その偉大な名を下五で支えている「秋千歳」もまた強い。千年の秋、百年の秋を重ね来てなお朽ちない「秋千歳」である。さらに強いのは、同様の試みが一回性であるというところか。                            【 宇多 喜代子 選 】
 

 山眠り山彦ひとり起きてゐる
               千葉市  加賀谷 朋子
あらゆる自然の中に精霊としての神を見る世界観は、そのまま俳句の世界観でもある。しかもこの句では、その山の神が厳(いか)めしく近寄りがたい存在ではなく、ひとりの孤独な人間のように描かれている親しさが嬉しい。山が眠っている間も、山の意識は起きている、という認識のしかたもまた美しく
繊細である。                       【 正木 ゆう子 選 】

 
 すろうりい歌会始すろうりい
               東京都  吉竹  純
歌会始を外来語を繰返し用い描写しているのに驚いた。歌会始の本質的な魅力は「すろうりい」、ゆっくり進めるところに在るというのだ。繰り返し読んでいると、独特の披講(ひこう)まで聞こえてくるようである。俳句とはかくも自由なものであると教えられた。友人がこの句を口にしてくれる場に何度か居合わせた。幸せな句だ。                   【 小澤  實 選 】
    


カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター