目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
短歌あれこれ
意識を持って観察する 梅内 美華子
短歌作りで「ものをよく見る」ということが言われます。短歌と言う短いポエムを書こうとする意識を持った「歌人目線」で観察しましょう。例を挙げます。
円形の和紙に張りつく赤きひれ掬われしのち金魚は濡れる
吉川 宏志 『 青 蟬 』
一読して私は「ええ?こんなことを見ていたの」と驚きました。金魚は水中では当然濡(ぬ)れているのですが、外側にいる人間は水の外に出た時に「濡れ」ているのを肉眼で捉えたのです。
それから<金魚すくい>という名を出さず、その場面の具体的な物や動きを細かく丁寧にスケッチしています。 ものの名は短い言葉ですぐに情報を伝達しますが、一方で一般的な総括されたイメージしか手渡しません。
普段と角度を変えて、型や枠を少し外してみましょう。 すると気が付かなかった、考えもしなかったことを捉えられるかもしれません。 それは読む者にも新しい発見をくれます。
【 短歌あれこれ 14.02.03 読売新聞 】
意識を持って観察する 梅内 美華子
短歌作りで「ものをよく見る」ということが言われます。短歌と言う短いポエムを書こうとする意識を持った「歌人目線」で観察しましょう。例を挙げます。
円形の和紙に張りつく赤きひれ掬われしのち金魚は濡れる
吉川 宏志 『 青 蟬 』
一読して私は「ええ?こんなことを見ていたの」と驚きました。金魚は水中では当然濡(ぬ)れているのですが、外側にいる人間は水の外に出た時に「濡れ」ているのを肉眼で捉えたのです。
それから<金魚すくい>という名を出さず、その場面の具体的な物や動きを細かく丁寧にスケッチしています。 ものの名は短い言葉ですぐに情報を伝達しますが、一方で一般的な総括されたイメージしか手渡しません。
普段と角度を変えて、型や枠を少し外してみましょう。 すると気が付かなかった、考えもしなかったことを捉えられるかもしれません。 それは読む者にも新しい発見をくれます。
【 短歌あれこれ 14.02.03 読売新聞 】
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