目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
兵なれば婚約解かむと申されき昭和16年12月8日
秦野市 深石 ヒロ
歴史の重さを一身に受けた女性の歌。対米英開戦の日、婚約者の男性から明日をも知れぬ軍人の身だから、一切は無かったことにと言われたのだ。 暗涙を飲む思いがする。 【 岡野 弘彦 選 】
◆この歌に詠まれた日付はきのうと同じ12月8日。そう、67年前、1941年のその日は対米英開戦の当日だ。この人はその日に婚約者の男性から「明日をも知れぬ軍人の身だから、一切はなかったことに」と言われた◆「歴史の重さを一身に受けた女性の歌。暗涙を飲む思いがする」と選者の岡野弘彦さんは評した。この一首が、ひとっ飛びに、はるか遠くなった時代へ連れ戻してくれた◆一人の女性の三十一文字 の力とリズムがその時代の空気を偲(しの)ばせる。深石さんはどんな思いでその言葉を受けたか。男性の胸のうちも思う◆もうそんな時代はごめんだ。と思いつつ、12月8日が何の日か、ただちに反応できる人が少なくなったことも思う。8月15日を知る人は多いが、12月8日がその日への始まりだったことを忘れたくない◆同時に、相手を思いやる心の深かった時代をも「婚約解かむ」に思う。
<2008年12月9日14時09分 読売新聞・夕刊>
秦野市 深石 ヒロ
歴史の重さを一身に受けた女性の歌。対米英開戦の日、婚約者の男性から明日をも知れぬ軍人の身だから、一切は無かったことにと言われたのだ。 暗涙を飲む思いがする。 【 岡野 弘彦 選 】
◆この歌に詠まれた日付はきのうと同じ12月8日。そう、67年前、1941年のその日は対米英開戦の当日だ。この人はその日に婚約者の男性から「明日をも知れぬ軍人の身だから、一切はなかったことに」と言われた◆「歴史の重さを一身に受けた女性の歌。暗涙を飲む思いがする」と選者の岡野弘彦さんは評した。この一首が、ひとっ飛びに、はるか遠くなった時代へ連れ戻してくれた◆一人の女性の三十一文字
<2008年12月9日14時09分 読売新聞・夕刊>