目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   新宿ははるかなる墓碑鳥渡る   福永 耕二

新宿駅西口の高層ビル群は、夕暮れになると黒く染まり、巨大な墓に見える。都会の墓碑である。墓碑のあいだを渡り鳥が飛んでいく。句に遠近法があり、ビルの奥に鳥が飛んで、消えていく。西口一体は、私が学生のころはススキの穂がなびく野原であって、渡り鳥が飛んでいった。唐十郎が「新宿見たけりゃいま見て置きゃれ、じきに新宿原になる」といってテント芝居を興行したころを思い出した。      『踏歌』(昭和55年・東京美術)
     【 '12.10.18 週刊新潮 新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 】


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