目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   蚊か蚤か南京虫か目が覚めた   堺  利彦

堺利彦は社会主義者で、何度も投獄され、退屈しのぎに俳句をつくった。句意はそのままで、獄中には蚊と蚤(のみ)と南京虫(なんきんむし)がいて あんまり痒いので目が覚めた、と。悠長なもんですな。さすが社会主義者の親玉です。めそめそせず、悠々と観察している。句集には自分の肖像写真を入れ、序文は荒畑寒村、中扉に宇野重吉の絵が入っている。昔の左翼は文武両道、古武士の風格があった。
   『豊多摩と巣鴨 二度目の巣鴨』 (昭和50年・素面の会)
      【 '12.8.16 週刊新潮 新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 】


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