目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
雀の子糞のふるまひから覚ゆ 北本市 萩原 行博
「糞(まり)のふるまい」とは品のある言い方。庭に来た雀の親子だろうか。餌はまだ親にもらっても、糞(ふん)はもうちゃんと出来るのだ。 【 正木 ゆう子 選 】
「糞(まり)のふるまい」とは品のある言い方。庭に来た雀の親子だろうか。餌はまだ親にもらっても、糞(ふん)はもうちゃんと出来るのだ。 【 正木 ゆう子 選 】
看取るとて手足さすりてやりしのみ我を遺して母は逝きたり
竹原市 岡元 稔元
看病をするといっても重態の母に男の手でできる事は、せいぜい手足をさすってやることくらいだった。亡き母をめぐって胸の内に繰り返す、つきる事のない子の思い。
【 岡野 弘彦 選 】
竹原市 岡元 稔元
看病をするといっても重態の母に男の手でできる事は、せいぜい手足をさすってやることくらいだった。亡き母をめぐって胸の内に繰り返す、つきる事のない子の思い。
【 岡野 弘彦 選 】
木蓮のグウチョキパアと咲きにけり 丸亀市 久保谷 幸正
モクレンの花が開いてゆく。最初はジャンケンのグウの形、つぎはチョキ、そして開ききってパアの形。楽しく自然を観察している。 【 15.04.27 矢島 渚男 選 】
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春の陽にグーチョキパーで咲いてゆく辛夷の今日のチョキを楽しむ
平塚市 小林 真希子
辛夷(こぶし)の語源は、蕾(つぼみ)がこぶしに似ているからという説があるが、その後のチョキトパーにまで連想を広げた比喩の力に脱帽だ。「これから」 を感じさせるチョキを愛でるところも、いい。 【 15.05.04 俵 万智 選 】
モクレンの花が開いてゆく。最初はジャンケンのグウの形、つぎはチョキ、そして開ききってパアの形。楽しく自然を観察している。 【 15.04.27 矢島 渚男 選 】
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春の陽にグーチョキパーで咲いてゆく辛夷の今日のチョキを楽しむ
平塚市 小林 真希子
辛夷(こぶし)の語源は、蕾(つぼみ)がこぶしに似ているからという説があるが、その後のチョキトパーにまで連想を広げた比喩の力に脱帽だ。「これから」 を感じさせるチョキを愛でるところも、いい。 【 15.05.04 俵 万智 選 】
一村の要所要所の桜かな 流山市 久我 渓霞
バス停、郵便ポスト、お地蔵様、集会所、お店。そんなところに立つ桜。 ながく、村人に愛されている目印の桜。 【 宇多 喜代子 選 】
バス停、郵便ポスト、お地蔵様、集会所、お店。そんなところに立つ桜。 ながく、村人に愛されている目印の桜。 【 宇多 喜代子 選 】
落椿一畳ほどを掃きにけり 町田市 枝沢 聖文
べたべたと落ちている椿を掃いているわけだが、「一畳ほど」という表現が絶妙。畳に親しんで来た選者にとって、くっきりと見えてくる。 椿の木の大きさまでが見える。
【 小澤 實 選 】
べたべたと落ちている椿を掃いているわけだが、「一畳ほど」という表現が絶妙。畳に親しんで来た選者にとって、くっきりと見えてくる。 椿の木の大きさまでが見える。
【 小澤 實 選 】
老いた木はめまいするほど繰り返す春に芽を出し花咲くことを
青梅市 山口 久恵
季節がめぐって来ると芽を出し花を咲かせる木は健気であるが、 老木に咲く花を見ると少し切ない気持ちにもなる。「めまいするほど」 に身体的な実感がこめられている。 【 栗木 京子 選 】
青梅市 山口 久恵
季節がめぐって来ると芽を出し花を咲かせる木は健気であるが、 老木に咲く花を見ると少し切ない気持ちにもなる。「めまいするほど」 に身体的な実感がこめられている。 【 栗木 京子 選 】
肩並べギョウザのヒダを作りつつさりげなく訊(き)くききにくい事
東京都 杉山 はるみ
相手が誰だか書いてないが、きっと年頃になった娘であろう。さりげなく日頃は聞きにくいことを聞いてみる。リアリティあって人の心の機微をよく摑んでいる。
【 小池 光 選 】
東京都 杉山 はるみ
相手が誰だか書いてないが、きっと年頃になった娘であろう。さりげなく日頃は聞きにくいことを聞いてみる。リアリティあって人の心の機微をよく摑んでいる。
【 小池 光 選 】
青い空もうすぐ春が来るあいず
東京都 八王子市立鑓水小学校4年 竹内 真央
冬の空は、どことなくどんよりしています。あおあおと晴れた空を見ると、いよいよ冬が終わり、春が来るのだなあと、しみじみと思います。真央さんの句は、「あいず」という言葉を面白 (おもしろ)く用いています。 青い空は、 春のスタートを告(つ)げる、季節(きせつ)のメッセージなのですね。
【 ’15.04.25 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
東京都 八王子市立鑓水小学校4年 竹内 真央
冬の空は、どことなくどんよりしています。あおあおと晴れた空を見ると、いよいよ冬が終わり、春が来るのだなあと、しみじみと思います。真央さんの句は、「あいず」という言葉を面白 (おもしろ)く用いています。 青い空は、 春のスタートを告(つ)げる、季節(きせつ)のメッセージなのですね。
【 ’15.04.25 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
一病を得て巡り会う桜かな 横浜市 高野 茂
一病息災という。一病を得れば普段はなおざりにしていた健康に気をつけるようになるということだろう。やがては死ぬ身と自覚したとき、桜の花は切実な美しさを見せる。 【 矢島 渚男 選 】
一病息災という。一病を得れば普段はなおざりにしていた健康に気をつけるようになるということだろう。やがては死ぬ身と自覚したとき、桜の花は切実な美しさを見せる。 【 矢島 渚男 選 】
花散つて大樹の力解く日かな 神奈川県 石原 美枝子
大きな桜の古木。 その花時が過ぎ、花のない幹と枝が人に見られることもなく 亭々と空に延びている。 大勢に見られていた緊張から放たれた様子が 「力を解く日」 であろう。 【 宇多 喜代子 選 】
大きな桜の古木。 その花時が過ぎ、花のない幹と枝が人に見られることもなく 亭々と空に延びている。 大勢に見られていた緊張から放たれた様子が 「力を解く日」 であろう。 【 宇多 喜代子 選 】