目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[85]  [86]  [87]  [88]  [89]  [90]  [91]  [92]  [93]  [94]  [95
   1メーター90センチ蛇の衣(きぬ)   小金井市  高橋 広子


「蛇の衣」は蛇の脱皮した皮である。  これはかなり大きい。 アオダイショウだろう。 具体的な長さによる表現に驚かされた。            【 小澤  實 選 】


    見るからに外国の花アマリリス   春日部市  竹部 公子

ほんとうにそうだ、思わず卓を叩いた。あの強そうな花、茎、葉は、楚々とした風情が好きな日本人の目には立派すぎる。            【 宇多 喜代子 選 】


   口紅の色を合わせて更衣   さいたま市  薄井 逸走

    【 宇多 喜代子 選 】     
口紅と着る物が釣り合っている人。心からお洒落な人とはこういう配慮をさりげなくやっている人のことなのだと思う。                【 宇多 喜代子 選 】


  小病は手当てをすべし大病は放置すべしと八十なれば
                          所沢市  阿部  至  

「小病は手当てをすべし大病は放置すべし」 という言に含蓄がある。 そうかもしれない。 病と死の問題、老いという問題に対するひとつの解答、見識がある。   
                                    【 小池  光 選 】


   山奥の奥は薄墨余花の雨   西条市  平井 辰夫

雨に霞む山深い景観を水墨画のような遠近感をもって見事に表現している。余花は終わりのころの桜。                  【 15.06.22 矢島 渚男 選 】


      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

   ストーブをまだ焚く余花の外ヶ浜   弘前市  竹内 政行
                             【 15.06.22 正木 ゆう子 選 】


  母逝きて獄にむかふる母の日に独りとなりし父に文書く
                      仙台市  長岡 義宏

誰でもが持てる体験ではないけれども、この作者の歌もぐっと胸に深く触れてくる。母の日は5月の第2日曜日。この日に、独り残された父に切々と手紙を書く作者  
                                    【 岡野 弘彦 選 】


   パドックに馬の猛りや鯉幟   三鷹市  矢部  誠

これから競い走らなければならない馬が、気負っている。競馬場に掲げられた鯉幟が、強い風を受けてうねっている。それぞれふたつの物に、エネルギーが満ちている。 
                                     【 小澤  實 選 】 


   子犬にも一つ購ふ浮人形   厚木市  石井  修

浮人形は、金魚やあひるなどを象 ( かたど ) った水に浮くおもちゃ。子供に買ったついでに子犬にもひとつ購(あがな)う。 人間も犬も遊びたい気持ちは同じ。 なんと優しい飼い主だろう。                         【 正木 ゆう子 選 】


   逃げ足の波打つ百足(むかで)うつくしき   神奈川県  中島 やさか

ムカデがたくさんの脚を順次波のように使って逃げるさまを美しいと思ったのだ。自然観察もここまで来れば本物だろう。自然の造形は好き嫌いは別にしてみんな美しい。                                   【 矢島 渚男 選 】


  あの丘の向こうの町に幸はないけれどおいしい喫茶店がある
                           奈良県  増田 福三

「 山のあなたの空遠く幸い住むと人のいう 」 と始まるカール・ブッセの詩があるが、作者は曖昧な幸福よりも美味しい飲み物を求める。 上句から下句への展開が巧み。                                  【 栗木 京子 選 】


カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター