目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
今朝妻の言ひたることを思い出す港に着いて船に乗るとき
豊橋市 鈴木 昌宏
船に乗る、という場面にはあらたまった感じが漂う。 電車に乗るなら、妻の言葉は思い出さなかっただろう。 下句に実感がある。 【 栗木 京子 選 】
豊橋市 鈴木 昌宏
船に乗る、という場面にはあらたまった感じが漂う。 電車に乗るなら、妻の言葉は思い出さなかっただろう。 下句に実感がある。 【 栗木 京子 選 】
ミニトマトおいしくなあれあまくなれ
東京都府中市立府中第十小学校2年 岡本 望央
「 おいしくなあれあまくなれ 」、魔法( まほう )のじゅもんのようで、素敵( すてき )なフレーズですね。ミニトマトは、その声をちゃんと聞いて、小さいながらも甘( あま )くなろうと、がんばるはずです。【 ’15.08.29 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
東京都府中市立府中第十小学校2年 岡本 望央
「 おいしくなあれあまくなれ 」、魔法( まほう )のじゅもんのようで、素敵( すてき )なフレーズですね。ミニトマトは、その声をちゃんと聞いて、小さいながらも甘( あま )くなろうと、がんばるはずです。【 ’15.08.29 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
兜虫闇のかなたの蜜を知る 宇都宮市 津布久 勇
子供の居られる家庭だと夏休みには虫籠に入れられたカブトムシをよく見ることだろう。 彼らは絶えず動きまわっている。 きっと遠くの闇から匂ってくる蜜の香りを知っているのだ、という。 【 矢島 渚男 選 】
子供の居られる家庭だと夏休みには虫籠に入れられたカブトムシをよく見ることだろう。 彼らは絶えず動きまわっている。 きっと遠くの闇から匂ってくる蜜の香りを知っているのだ、という。 【 矢島 渚男 選 】
蝉の声耳の中まで中までも 千葉市 小林 昭
朝からはげしく鳴く蝉。夏の風物詩だといわれても、耳奥にまで入って鳴きつづけるのはうるさい。もしかしたら、それに例えた生理的な耳鳴りか。【 宇多 喜代子 選 】
朝からはげしく鳴く蝉。夏の風物詩だといわれても、耳奥にまで入って鳴きつづけるのはうるさい。もしかしたら、それに例えた生理的な耳鳴りか。【 宇多 喜代子 選 】
里神楽天鈿女命の喉仏 今治市 藤原 守幸
アメノウズメを演じているのは男性。 神事舞踊を陽気に踊る女神に喉仏を見たという里神楽ならではの滑稽な景である。 【 宇多 喜代子 選 】
アメノウズメを演じているのは男性。 神事舞踊を陽気に踊る女神に喉仏を見たという里神楽ならではの滑稽な景である。 【 宇多 喜代子 選 】
角の中丸く泳げる金魚かな 八王子市 間渕 昭次
水槽の金魚。たしかにそうだと納得する。金魚の生態を、角と丸という字でとらえたおもしろさだ。いろんな見方から句は生まれる。 【 宇多 喜代子 選 】
水槽の金魚。たしかにそうだと納得する。金魚の生態を、角と丸という字でとらえたおもしろさだ。いろんな見方から句は生まれる。 【 宇多 喜代子 選 】
スーパーで妻にはぐれて考へる妻の着てゐた服は何色
仙台市 岩間 啓二
夫婦買い物あるある、と言いたくなるユーモアあふれる一首。そばにいる時の関心の薄さと、はぐれた時の存在感の大きさ。 二度繰り返される「妻」が後者をよく示している。 【 俵 万智 選 】
仙台市 岩間 啓二
夫婦買い物あるある、と言いたくなるユーモアあふれる一首。そばにいる時の関心の薄さと、はぐれた時の存在感の大きさ。 二度繰り返される「妻」が後者をよく示している。 【 俵 万智 選 】
昼酒を悔みてをりぬ炎天下 千葉市 中村 重雄
法事か何かの会合だろうか。 昼間からやむなく酒を飲んでしまった。 外へ出ると、猛烈な炎天。 一気に酒がまわり、どうにもやりきれない。 【 矢島 渚男 選 】
法事か何かの会合だろうか。 昼間からやむなく酒を飲んでしまった。 外へ出ると、猛烈な炎天。 一気に酒がまわり、どうにもやりきれない。 【 矢島 渚男 選 】
億年の土を作りしミミズかな 浜松市 北河 覚
環形動物のミミズの祖先は、およそ4億年前に海から地上へ進出し、以来有機物を分解し、せっせと土を耕してきた。まさに「億年」の仕事で、植物たちが繁茂できるのも、彼らのお陰である。ミミズを前にして、こんなことを思う作者に共鳴。
【 矢島 渚男 選 】
環形動物のミミズの祖先は、およそ4億年前に海から地上へ進出し、以来有機物を分解し、せっせと土を耕してきた。まさに「億年」の仕事で、植物たちが繁茂できるのも、彼らのお陰である。ミミズを前にして、こんなことを思う作者に共鳴。
【 矢島 渚男 選 】
麦藁の根元より編む帽子かな 宮城県 藤井 儀和
麦藁(むぎわら)帽子の頂点が麦藁の根っこの方だとは知らなかった。作業の手順を知り尽くした人でなければ作れない句で、珍しい。 【 矢島 渚男 選 】
麦藁(むぎわら)帽子の頂点が麦藁の根っこの方だとは知らなかった。作業の手順を知り尽くした人でなければ作れない句で、珍しい。 【 矢島 渚男 選 】