目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   3月10日墨堤(ぼくてい)に立ち黙祷す   川崎市  堀尾 一夫

この日は東京大空襲の日。ことに隅田川に沿う地区の被害はすさまじかった。無数の無辜(むこ)の死を悼む。                  【 矢島 渚男 選 】


  花びらを開いたままに散る椿3・11ひむがし拝む
                    神奈川県  多田  宏

2011年3月11日の東日本大震災から5年が過ぎた。椿(つばき)の花を見つつ苦難の日々を思い、鎮魂の祈りを捧(ささ)げる。東を示す古語「ひむがし」に重厚なひびきがある。                            【 栗木 京子 選 】


  折々に浮かびし名あり愛海ちゃん あいたかったよ笑顔すてきだ
                             館山市  山下 祥子

大津波で両親と妹を亡くした愛海(まなみ)ちゃん。母に書いた手紙 「ままへ。いきてるといいね。おげんきですか」は不朽の名作である。もう9歳になって元気いっぱいとか。                                   【 小池  光 選 】


   合格の赤飯ぬくきまま届く   前橋市  平林  始

目出度い合格祝いの赤飯が届いた。それも温かいうちに。親たちの喜びの気持ちそのままに。                             【 矢島 渚男 選 】


   風の中紙の音する枯柏   相模原市  奥沢 和子

柏(かしわ)餅でおなじみの柏は用心深い木で、冬を越してもまだ枯葉が芽を守って付いている。 それが風にカサカサと紙の擦れ合うような音を立てていた。 形容が的確だ。                               【 矢島 渚男 選 】


   わづかなる耕しわづかなる疲れ   牛久市  中村 栄子

二つの「わづか」が、作者の言いたいことをうまく伝えている。 「耕し」を終えたあとの心地よい「疲れ」を楽しんでいるようだ。            【 宇多 喜代子 選 】


   こめかみに響く秒針大試験   東京都  天地 わたる

進級を決める試験なのだが、時間ばかりが気になって、こめかみに秒針の音が響きわたるようなのだ。試験の内容に入っていけない。         【 小澤  實 選 】
                 < 注・「こめかみ」は漢字に変換できませんでした > 


   即物的に老母は重し啄木忌   前橋市  渋沢  智

石川啄木忌は4月13日。その 「たはむれに母を背負ひてそのあまり軽(かろ)きに泣きて三歩あゆまず」 からユーモラスに飛躍。 高齢とはいえお元気で、まだ軽くはない母上なのだ。                          【 正木 ゆう子 選 】
                        < 注・「老母」の読み方は判りません >


   十九の春私は私を知りたくない   神奈川県  熊谷 郁子

十九の春は過去のことと思われるのに、後半は現在形。その不自然さが、乙女の複雑な胸の内と相まって、妙に心に残る。自分を知りたくない、という心理もわかるような。                               【 正木 ゆう子 選 】


   おまけの子なんて失礼雛飾る   長浜市  河村 麗子

そういえば私も末っ子なので言われたことがある。 少子化の今ではこんな冗談を言う親はいないだろう。 愛情の篭った言い方だった。        【 正木 ゆう子 選 】


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