目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   桜咲く土手空襲に逃げし場所   東京都  白木 静子

東京大空襲のとき、少女だった人。その忘れられぬ悲惨な日のことを桜が咲くたびに思い出す。                            【 矢島 渚男 選 】


   ささやかな桜前線我が家にも   仙台市  斉藤 栄子

庭に桜の木が植えてあるのだろう。その桜にも前線が到達して咲き始めた。「ささやかな」がいい。                            【 矢島 渚男 選 】


  キャベツ色した服着るオバサンとレタス色した服着る少女
                         守口市  小杉 なんぎん

ほとんど同じような色なのだと思う。そこが、ポイント。それなのに、オバサンが着るとどっしりした「キャベツ」で、少女のほうは軽やかな「レタス」に見えるという。オバサンには失礼だが、言いえて妙なユーモア。                【 俵  万智 選 】
 


  「ひまわり」の絵の前に立ち思うなりこの空間にゴッホも居たのだ 
                            国分寺市  森田  進

一枚の絵の前に立ち、正対する。 まぎれもなくこの位置に立って、画家はこの絵に心血を注いだのだ。 そう思うと画家への親しみが一段と深まる。 「空間」が生きている。                                  【 小池  光 選 】


   桜餅の葉っぱも食べる家系なり   長野市  小林 明男

桜餅の旨さは葉っぱにあるようだ。 葉を食べるのは通人の証し。 何しろ葉は一年前から仕込んだもので、いちばん手間もかかっている。よい習慣の家系なのです。
                                    【 矢島 渚男 選 】


    紅色の魔除けの帯や海女衣   久慈市  和城 弘志

海女の帯の紅色には、魔除(よ)けの意味があったことを教わった。海女が春季の季語。海中では何が起こるかわからない、危険な仕事だ。   【 小澤  實 選 】


  あしあとは小さき梅の形して春を配って歩く柴犬
                        奈良県  田中 裕子

春を配るという表現が印象深い。 映像が浮かび、ほっこりするアニメのよう。
                                    【 俵  万智 選 】
 


   らい年はわたしが出すねおひなさま
            神奈川県 横浜市立奈良小学校2年  小峰 佳純

しまってあったおひなさまを出すときは、心がときめきます。ひとつ大きくなった次の年には、おひなさまにいちばんさきに「こんにちは」と言える役目が、できるといいですね
                 【 ’16.04.16 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   長生きの途中なりせば挿木かな   横浜市  寺師 あやせ

命のあるものの世話を全うするには年月が要る。 挿木ならまだ大丈夫と作者は思ったのだろう。 「長生きの途中」に、ユーモアほのか。     【 正木 ゆう子 選 】


   啓蟄やベッドのシーツ交換日   高岡市  谷口 一男

窓を開け、風を入れ、一斉にシーツ交換。糊(のり)のきいたシーツは一年中心地よいが、啓蟄(けいちつ)ともなればいよいよ春らしく、嬉(うれ)しさもひとしお。
                                    【 正木 ゆう子 選 】


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