目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
抱きし子の足でよろこぶ神輿かな 本庄市 吉田 昭治
抱かれてお祭りに出かけたこの児(こ)はよほど嬉しかったのだろう。抱いた児は足をばたばたさせて意思を伝える。 【 宇多 喜代子 選 】
抱かれてお祭りに出かけたこの児(こ)はよほど嬉しかったのだろう。抱いた児は足をばたばたさせて意思を伝える。 【 宇多 喜代子 選 】
水槽の金魚ひらひら二つの赤がたわむれ遊ぶわれも入りたし
泉南市 赤松 寿子
暑さも知らぬげに水槽を泳ぐ金魚。赤い金魚が2匹いるところに華やかさと涼しさが漂い、まるで作者を誘っているように見える。 結句の心の動きに共感を覚えた。
【 栗木 京子 選 】
泉南市 赤松 寿子
暑さも知らぬげに水槽を泳ぐ金魚。赤い金魚が2匹いるところに華やかさと涼しさが漂い、まるで作者を誘っているように見える。 結句の心の動きに共感を覚えた。
【 栗木 京子 選 】
親と来て恋人と来て子と来たりはな子に会いにはな子と別れに
千曲市 米沢 光人
井の頭自然文化園のはな子。推定69歳の命を閉じた。人生の折々に楽しみを与えてくれたはな子への感謝が伝わる句。 【 栗木 京子 選 】
千曲市 米沢 光人
井の頭自然文化園のはな子。推定69歳の命を閉じた。人生の折々に楽しみを与えてくれたはな子への感謝が伝わる句。 【 栗木 京子 選 】
帰省子の土産のひとつ夕刊紙 相模原市 芝岡 友衛
都会で刊行の夕刊紙を読みつつ帰って、それも土産としている。活字を愛している一家であることがわかる。少しませた帰省子である。 【 小澤 實 選 】
都会で刊行の夕刊紙を読みつつ帰って、それも土産としている。活字を愛している一家であることがわかる。少しませた帰省子である。 【 小澤 實 選 】
原爆忌いま勢いの夾竹桃 波多野市 高堀 道子
原爆忌の句は多く、 夾竹桃(きょうちくとう)と取り合わせた句も少なくないだろう。 にも関わらず、この句は中七で新たな原爆忌の句となり得ている。
【 正木 ゆう子 選 】
原爆忌の句は多く、 夾竹桃(きょうちくとう)と取り合わせた句も少なくないだろう。 にも関わらず、この句は中七で新たな原爆忌の句となり得ている。
【 正木 ゆう子 選 】
戦場で送りし爪や敗戦日 東京都 竹本 繁太郎
戦死した時の遺品として故郷に送ったわが爪を、生き永らえてしみじみと見つめる。
【 矢島 渚男 選 】
戦死した時の遺品として故郷に送ったわが爪を、生き永らえてしみじみと見つめる。
【 矢島 渚男 選 】
西瓜食べ麦茶を喫しニュース見てテロに驚き食器を洗う
東京都 野村 泰司
日常のありふれた動作の一つように「テロに驚き」が並列されている。テロにニュースに私たちのありようが鋭く示された一首。驚いたのち、また日常に戻る。
【 俵 万智 選 】
東京都 野村 泰司
日常のありふれた動作の一つように「テロに驚き」が並列されている。テロにニュースに私たちのありようが鋭く示された一首。驚いたのち、また日常に戻る。
【 俵 万智 選 】
百歳の母が天国(そちら)へ参ります迎えてください戦死の父よ
東京都 山岸 好江
作者の父は27歳で戦死。母はその後、女手一つで4人の子を育てたという。父の写真を抱いて亡くなった100歳の母。天国で二人は必ず再会しておられることだろう。 【 栗木 京子 選 】
東京都 山岸 好江
作者の父は27歳で戦死。母はその後、女手一つで4人の子を育てたという。父の写真を抱いて亡くなった100歳の母。天国で二人は必ず再会しておられることだろう。 【 栗木 京子 選 】
とぼとぼと来て生き生きと夏期講座 那須塩原市 谷口 畔水
今日はちょっとしんどいなと思いつつ来て、来たらやっぱり来てよかった講座。出てみる、動いてみると、どこからか元気は湧くもの。 【 正木 ゆう子 選 】
今日はちょっとしんどいなと思いつつ来て、来たらやっぱり来てよかった講座。出てみる、動いてみると、どこからか元気は湧くもの。 【 正木 ゆう子 選 】
雨の間にあぢさゐの香の出尽くせり 千葉市 谷 ひとし
「香りが出尽くした」という発想が出色。日本原産だが西欧で飾り花ばかりにされた人工的なアジサイにはもともと匂いはないのだが、花のために弁護してやる。
【 矢島 渚男 選 】
「香りが出尽くした」という発想が出色。日本原産だが西欧で飾り花ばかりにされた人工的なアジサイにはもともと匂いはないのだが、花のために弁護してやる。
【 矢島 渚男 選 】