目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   しなしなと夕顔咲いて従兄ゐて   東京都  大嶋 悠紀子

そんな思春期の夏があったのだろう。 「しなしなと」 という屈折ある表現がそう思わせる。 対句的に「て」を二度重ねているのも効果的。      【 正木 ゆう子 選 】


  なぜだろう何故嚙むのだろう金メダル カッコいいとは思えぬけれど
                           名古屋市  佐々木 幸子

作者の意見に同感。 金属のメダルを噛(か)むのはどうみても美しくない。 妙な習慣、流行というべき。                         【 小池  光 選 】


   盆踊り下駄鳴らしたり返したり   須賀川市  関根 邦洋

盆踊りとはたしかにこうして進むものだと納得する。単純な表現で盆踊の様子をよく伝えている。                            【 宇多 喜代子 選 】


   墓洗ふかゆきところのなきやうに   松戸市  をがはまなぶ

盆で先祖の墓に参り、墓を洗っている。 墓石をまるで生きている感覚があるもののごとく、 扱っている。 そこにユーモアも感じられる。         【 小澤  實 選 】


  階段はグ・リ・コでのぼる僕たちは屋上の青疑いもせず
                           横浜市  水野 真由美

ジャンケンで会談を上る遊びができるのは、若さの証。屋上の青は未来の象徴だろう。文体の若々しさが内容とマッチしている。            【 俵  万智 選 】
 


  前後(まえうしろ)背中に子のせ突っ走るママチャリママは日本の支え
                               鎌倉市  樋口 のぶ代

3人のこどもを運ぶ。 少子化がしきりに心配されるこのごろ、 こういう逞(たくま)しいママもいる。 まさに「日本の支え」だ。                【 小池  光 選 】

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自転車の前と後ろに子を乗せて右手に日傘怖ろしき母
                          高槻市  東谷 直司

なんともエネルギーあふれる若きママである。 自転車の前後に子供を乗せて、すいすいと片手運転。 はらはらしながら「怖ろしき」には感嘆の感情もまじるか。  
                              【 ’15.08.10  小池  光 選 】
 
<自転車の片手運転が違法行為であることを知った上で選ばれたのでしょうか>
  


   我は未だわれを許さず心太(ところてん)   鳴戸 奈菜( なると なな )

ある老作家が「長く生きてきたが、自分の顔とまだ和解できずにいる」と話していた。自分の顔というところがおかしいが、自分が許せないとなるとやや状況が緊迫する。悔やみきれないことは誰にでもあるけれど。 句集『文様』から。
                      【 '16.09.21 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】


   石段を二段飛ばしに降りて秋   岡山市  橋本 幹夫

高い石段を勢いよく降りてくる。 「二段飛ばし」で 具体的にスピード感を出している。 秋の空気の澄みを体全体で味わっているようだ。     【 小澤  實 選 】


   今日よりは宇治十帖へ夏期講座   尼崎市  河野 福子

夏期講座のテキストは『源氏物語』。 読み継ぎ読み継ぎ、ようやく最後の十帖に到達した。あと少しで読了だ。そんな期待が感じられる。  【 宇多 喜代子 選 】


   日の丸を飾らず八月のあの日より   高松市  渡辺  鴻

「あの日」と ぼやかすことで句になっている。 15日のことと分かっているが、連想に広がりが出た。                           【 矢島 渚男 選 】


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