目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
秋風や不仲でもなき老二人 東京都 中村 昌弘
こんな「老二人」っているいる、そう思わせる句。 年を取りすぎてもう殊更に話すこともなくなったのだ。 中七がおかしい。 【 宇多 喜代子 選 】
こんな「老二人」っているいる、そう思わせる句。 年を取りすぎてもう殊更に話すこともなくなったのだ。 中七がおかしい。 【 宇多 喜代子 選 】
たたまれて案山子二本の棒となる 松原市 西田 鏡子
務めを終えて横たわる案山子(かかし)を分解してみると、心棒と両肩をつらぬく棒、計2本でできているのがわかった。案山子の本質を捉えた。究極の即物俳句であるとも言える。 【 小澤 實 選 】
務めを終えて横たわる案山子(かかし)を分解してみると、心棒と両肩をつらぬく棒、計2本でできているのがわかった。案山子の本質を捉えた。究極の即物俳句であるとも言える。 【 小澤 實 選 】
迫り出せり紫式部くぐる道 明石市 小田 慶喜
山道のなかばへと迫り出してきている枝をくぐり、 前へと進む。 その枝が色づいた 野生の紫式部で、深まった秋を感じている。 【 小澤 實 選 】
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「迫り出せる紫式部・・・」では?
山道のなかばへと迫り出してきている枝をくぐり、 前へと進む。 その枝が色づいた 野生の紫式部で、深まった秋を感じている。 【 小澤 實 選 】
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「迫り出せる紫式部・・・」では?
秋の暮自愛ほとほとくたびれて みよし市 稲垣 長
食事の神経をつかい、 頭脳の活性に気をつかい、 わが身のためのアレにコレにと気をつかう。 作者ならずともみんなクタクタです。 【 宇多 喜代子 選 】
食事の神経をつかい、 頭脳の活性に気をつかい、 わが身のためのアレにコレにと気をつかう。 作者ならずともみんなクタクタです。 【 宇多 喜代子 選 】
起き抜けの顔で向かふを無礼とも群青色の朝顔の百
前橋市 豊嶋 秋生
群青色は藍色に近いあざやかな青色のこと。 多くの朝顔がいっせいに咲き揃い、朝の空気を輝かせている。 たしかに、起き抜けの顔で対面しては失礼になりそうである。 【 栗木 京子 選 】
前橋市 豊嶋 秋生
群青色は藍色に近いあざやかな青色のこと。 多くの朝顔がいっせいに咲き揃い、朝の空気を輝かせている。 たしかに、起き抜けの顔で対面しては失礼になりそうである。 【 栗木 京子 選 】
彼岸花いちめんに咲く布野の村健吉の歌碑を友とさがせり
島根県 藤井 幹雄
大正から昭和初期、「アララギ」に秀歌を発表した中村健吉は、広島県の奥深い旧・双三郡布野(ふの)村の人である。早く故郷に帰り家業を継いで歌を残した。心に残る歌人だ。 【 岡野 弘彦 選 】
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健吉の歌碑であれば「さがせり」の表現はオーバー? 「尋ねる、訪れる」程度。
島根県 藤井 幹雄
大正から昭和初期、「アララギ」に秀歌を発表した中村健吉は、広島県の奥深い旧・双三郡布野(ふの)村の人である。早く故郷に帰り家業を継いで歌を残した。心に残る歌人だ。 【 岡野 弘彦 選 】
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健吉の歌碑であれば「さがせり」の表現はオーバー? 「尋ねる、訪れる」程度。
救急車深夜の村にとどまれば七戸の家のみな耳となる
篠山市 清水 矢一
わずか七戸の集落。助け合って生きている。深夜、救急車のピーポー音が轟(とどろ)いた。どこの家の人が倒れたのだろう。みな全身耳となって心配する。都会ではない一体感。 【 小池 光 選 】
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「とどまれば」=「とまれば」なのでしょうか?
篠山市 清水 矢一
わずか七戸の集落。助け合って生きている。深夜、救急車のピーポー音が轟(とどろ)いた。どこの家の人が倒れたのだろう。みな全身耳となって心配する。都会ではない一体感。 【 小池 光 選 】
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「とどまれば」=「とまれば」なのでしょうか?
金木犀逆上がりしてより匂ふ 野田市 鈴木 武
香りに重さがあって、下の方に溜まるのか。 頭で考えつくような内容ではないから、実体験だろう。金木犀(きんもくせい)の匂いは不意にやってくる。
【 正木 ゆう子 選 】
香りに重さがあって、下の方に溜まるのか。 頭で考えつくような内容ではないから、実体験だろう。金木犀(きんもくせい)の匂いは不意にやってくる。
【 正木 ゆう子 選 】
一本も千本も好き曼殊沙華 鹿嶋市 平山 ちはる
一本がすらりと立っている。または群れをなして固まっている。そのどちらもが「好き」だという。つまり曼殊沙華(まんじゅしゃげ)が好きだということ。【 宇多 喜代子 選 】
一本がすらりと立っている。または群れをなして固まっている。そのどちらもが「好き」だという。つまり曼殊沙華(まんじゅしゃげ)が好きだということ。【 宇多 喜代子 選 】
朝顔や血糖測る血が出ない 八王子市 高松 正雄
毎朝血糖値を測る作者なのだろう。今朝は寒くてかじかんで血管も細くなって血流もわるいのか、血が出ない、と嘆く。こんなに率直な訴えも俳句には出来る。お大事に。 【 矢島 渚男 選 】
毎朝血糖値を測る作者なのだろう。今朝は寒くてかじかんで血管も細くなって血流もわるいのか、血が出ない、と嘆く。こんなに率直な訴えも俳句には出来る。お大事に。 【 矢島 渚男 選 】