目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   病室に寒さ連れ来る人恋し   土浦市  山本 順子

冷えたコートを脱ぎもせず、急いで病室に入ってくる人。まとう冷気は、風の匂い、落葉の匂い、街の活気の匂いがする。             【 正木 ゆう子 選 】


   首里城にスーパームーン仰ぎみる   福島市  大槻  弘

何年かに一度といういいお月様。 どこで見ようと同じなのだが、大槻さんは沖縄でこれを仰いだ。個人の事情に万人に通じるものがある。   【 宇多 喜代子 選 】


  爪をかみ何か企(たくら)むプーチンが7つ出でたりマトリョーシカから
                             千葉市  土屋 昌也

世界を動かすロシアの大統領。 爪かむ癖があるらしい。 大きいのから小さいのまで7個のプーチンが並ぶ。おもしろい。                 【 小池  光 選 】


   1/4切れの白菜を買う   松山市  久保  栞

半分の白菜の句はすでに詠まれているが、ここではもはや四分の一にまでなってしまっている。独りか二人暮らしのためのものだろう。        【 小澤  實 選 】


    大根を背負い托鉢修行僧   長久手市  山崎 隆吉

修行僧が、布施を受けた大振りの大根一本を背負って、托鉢を続けている。その姿に俗な世界をはるかに越えたものを感じているのだ。     【 小澤  實 選 】


   股引てふ懐かしきもの身に覚え   市原市  鈴木 山聞

昔の男性用定番下着。 今も防寒下着はあるが、モモヒキとは言わないようだ。「身に覚え」で面白い句になった。                【 正木 ゆう子 選 】

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                       「身に覚」ではないのでしょうか?


   神殿の奥を見たがり七五三   福井市  村田 淑子  

子どもにしてみれば平素見たこともない神殿の奥は不思議なところ。 七五三も、宮詣も、みな非日常。子どもの好奇心がよく伝わる句だ。 【 宇多 喜代子 選 】

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   玉砂利の音にしあはせ七五三   水戸市  島  ひろ

七五三は人生の喜びの時で、幸福の基調で詠われるが、そんな中で、「玉砂利の音」に幸せを感じた句は珍しい。暖かい句だ。          【 矢島 渚男 選 】 


  5個入りは買へぬ草餅2個入りは売り切れ母の逝きて一年 
                             瑞穂市  渡部 芳郎  

数字の入った事実が3つ並んでいるだけ。たんたんとした表現が、かえって切なさを静かに伝えてくる。昨年は、母親と一緒に5個入りを楽しんだのだろう。そのことが、一首から透けて見えるところが、みごと。              【 俵  万智 選 】


   秋団扇もとの隙間に返しやる   南丹市  福地 秀雄

用が無くなった団扇(うちわ)を描いて妙。「もとの隙間に」とは家具と家具の間などに挟むのだ。                             【 矢島 渚男 選 】 


  ハンカチといえども母のたたみたる三枚ほどは何かがちがう
                            垂水市  岩元 秀人

掃除や料理など、わかりやすく差が出る家事ではなく、まことにささやかなことを取り上げているのが、いい。そんな小さなところでも「違い」を感じさせてしまう、母の偉大さが、ひきたつ。                            【 俵  万智 選 】


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