目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
空よりも大きくなれず石鹸玉 稲沢市 杉山 一三
大きくなれ大きくなれと願いながらシャボン玉に息を吹き込む。 膨らみ空に飛んでゆく。 その空のなんと広くて深いこと。 【 宇多 喜代子 選 】
大きくなれ大きくなれと願いながらシャボン玉に息を吹き込む。 膨らみ空に飛んでゆく。 その空のなんと広くて深いこと。 【 宇多 喜代子 選 】
墓の蓋開けてみんなで桜狩 石原 日月 ( いしはら じつげつ )
同じ花見でも桜狩りは、あちらの山、こちらの土手とさまよう感じがある。それは生者だけの楽しみではない。死者たちも花時ばかりは墓を出て花に興じる。心が浮き立って、おとなしく寝ていられないというのだ。句集『翔(と)ぶ母』から。
【 '17.03.23 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
同じ花見でも桜狩りは、あちらの山、こちらの土手とさまよう感じがある。それは生者だけの楽しみではない。死者たちも花時ばかりは墓を出て花に興じる。心が浮き立って、おとなしく寝ていられないというのだ。句集『翔(と)ぶ母』から。
【 '17.03.23 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
卒業す恩師と呼べる人を得て 八代市 貝田 ひでを
お世話になった師とともに、 卒業の日を迎えている。 恩師と呼ぶことのできる人を人生において得ることができたら、それはすばらしいこと。 高校か、大学であろうか。
【 小澤 實 選 】
お世話になった師とともに、 卒業の日を迎えている。 恩師と呼ぶことのできる人を人生において得ることができたら、それはすばらしいこと。 高校か、大学であろうか。
【 小澤 實 選 】
整列のものがなしさよチューリップ 相模原市 奥沢 和子
チューリップは一列に並んで植えられていることが多い。 福寿草や水仙のように固まって話もしたいのだろうに、 人間に操られていることにもの悲しさを覚えている。
【 矢島 渚男 選 】
チューリップは一列に並んで植えられていることが多い。 福寿草や水仙のように固まって話もしたいのだろうに、 人間に操られていることにもの悲しさを覚えている。
【 矢島 渚男 選 】
囀(さえず)りは反戦の歌かもしれぬ 松原市 西田 鏡子
春の訪れを告げる鳥の囀りを、 こうした感想で迎える人もいる。 もしも核兵器の戦争が起これば愚かな人間の巻き添えにされて絶滅してしまう鳥たちなのだから。
【 矢島 渚男 選 】
春の訪れを告げる鳥の囀りを、 こうした感想で迎える人もいる。 もしも核兵器の戦争が起これば愚かな人間の巻き添えにされて絶滅してしまう鳥たちなのだから。
【 矢島 渚男 選 】
日本の何処かで狼生きてゐる 栃木県 あらゐ ひとし
明治期に絶滅したとされる日本狼。それにもかかわらず、狼の話は絶えない。多分「何処(どこ)かで」 生きているにちがいない。 【 宇多 喜代子 選 】
明治期に絶滅したとされる日本狼。それにもかかわらず、狼の話は絶えない。多分「何処(どこ)かで」 生きているにちがいない。 【 宇多 喜代子 選 】
目黒川の水面に映るマンションを空ごと崩す大寒の鯉
東京都 鈴木 恵子
都心の川には空とともに高層マンションが映っている。そして建築物の迫力に負けない鯉(こい)が水中に生息しているのだ。下句からは堂々とした鯉の動きが想像できる。 【 栗木 京子 選 】
東京都 鈴木 恵子
都心の川には空とともに高層マンションが映っている。そして建築物の迫力に負けない鯉(こい)が水中に生息しているのだ。下句からは堂々とした鯉の動きが想像できる。 【 栗木 京子 選 】
佐保姫と自由の女神密談す 川崎市 多田 敬
春の女神と自由の女神が密談している。 何の話だろう。 時節柄、 新大統領の暴走ぶりだろうかな。 【 矢島 渚男 選 】
春の女神と自由の女神が密談している。 何の話だろう。 時節柄、 新大統領の暴走ぶりだろうかな。 【 矢島 渚男 選 】
追伸に一子卒業したと書く 宍粟市 宗平 圭司
黙ってはおられない子の卒業したという慶事。 書簡での所用もさることながら 最も書きたかったのは「一子卒業」だったのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
黙ってはおられない子の卒業したという慶事。 書簡での所用もさることながら 最も書きたかったのは「一子卒業」だったのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
理容師の饒舌眠し木瓜の花 埼玉県 浜名 保
髪を刈りながら、美容師さんがさかんにしゃべりかけてくるのだが、眠いので目を開けてはいられない。木瓜(ぼけ)の赤い花も何だか眠そう。 【 小澤 實 選 】
髪を刈りながら、美容師さんがさかんにしゃべりかけてくるのだが、眠いので目を開けてはいられない。木瓜(ぼけ)の赤い花も何だか眠そう。 【 小澤 實 選 】