目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[44]  [45]  [46]  [47]  [48]  [49]  [50]  [51]  [52]  [53]  [54
   短針のやうな生き方夏時間   葛城市  山本  啓

時計の秒針のような素早くなく、分針よりも遅く、変化が目に見えにくい生き方。 おもしろい比喩である。自分はどの針だろう。          【 正木 ゆう子 選 】


   長生きの金魚の鱗燦燦(さんさん)と   佐賀市  栗林 美津子

はたして金魚の寿命とは何年くらいのものか。長命らしいこの金魚の鱗(うろこ)は、いまも輝いている。まだまだ生きるだろう。           【 宇多 喜代子 選 】


   絶滅は人が先かも蝸牛   春日部市  高橋 洋一

カタツムリもめっきり数が減った。 地球温暖化のせいだろうか。 でも絶滅するのは人類が先なのかもしれない、という。 核兵器が使われれば一瞬のこと。
                                    【 矢島 渚男 選 】 


   故郷のキャベツは風の味がする   峠谷 英子

キャベツはどんな味、と聞かれれば、キャベツの味としか言いようがないが、風の味なら近いかも。 夏の朝の風。 高原を渡る風の味。        【 正木 ゆう子 選 】


   教室を出れば始まる夏休み   松原市  西田 鏡子

ようやく一学期最後の授業が終わった。教室の外から夏休みというのがいい。待ちに待った瞬間である。夏休みという児童にとって神々しい時間が、みごとに描かれた。                                   【 小澤  實 選 】


  貧農の次男に生まれ80年農を捨て親をすて村をすてたり
                          山陽小野田市  浅上 薫風

この作者は、変動の激しかった時代に、農家の次男の宿命を生きられた。大切なものを次々に捨て、今得たものの尊さ。              【 岡野 弘彦 選 】


  おばさんとおじさんにあといの入り老いてからこそうまれくる愛
                              浜松市  中谷 元彦
おばさんに「あ」を、おじさんに「い」を入れて、老年の「あい」が生まれるとは。なかなか高度で、発見に満ちた言葉遊びの一首。           【 俵  万智 選 】
 
           オヤジのダジャレ? リズムもなく、詠みづらい。 愚作では?


   晩成もならず異郷の遠花火   下野市  石井 金吉

謙虚にして寂しさの漂う句だが、しかしまたなんと穏やかな味わい。晩・ならず・異・遠、などマイナー尽くしなのに、ほの明るい。          【 正木 ゆう子 選 】


   Tシャツが首から抜けぬ暑さかな   大津市  竹村 哲男

汗みどろになったTシャツを脱ごうと奮闘。首のところが、汗で伸びが悪いのだろうか、なかなか抜けない。年ごとに暑さが酷(ひど)くなる。    【 矢島 渚男 選 】 


  坪庭にふと見し蛇を夕飯のときにも妻に話せずにゐる
                            成田市  神郡 一斉

庭に蛇を見た。 そのことを蛇嫌いな妻には話せない。 夕飯のときにも話せない。 という歌だが、 なかなか夫婦間の微妙な心理をついている。何でも話していいものでない。                                  【 小池  光 選 】


カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター