目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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6月7日、TBSの番組「プレバト」( 夏井 いつき 選 )で発表された

  「 梅雨明けや指名手配の顔に×   ( 東国原 英夫 ) 」 は、

昨年6月に宮崎日日新聞に掲載された「 梅雨寒や指名手配の顔に×」に酷似しているとネット上で問題になっているそうですが、事件が解決したことを表す「×」には「梅雨寒」より「梅雨明け」の方が適切に思えるのですがいかがでしょう。    


   「こんちくしょう」「あのやろうめ」と草を引く   茅ヶ崎市  吉田 哲弥

農業を営む友人から、抜いても生えてくる草への呪いの言葉を聞いたことがある。この句もまるで人へのようなストレートな呪詛(じゅそ)だ。     
【 小澤  實 選 】


   べら煮れば五彩失せたる梅雨入(つい)りかな   大分市  坂井 清明

熱帯から亜熱帯に棲(す)むベラ類は赤や緑や青など美しい色彩の魚だが、煮ると色彩が失われてしまう。日常生活からの着眼のよさ。性転換をする魚としても知られている。                               【 矢島 渚男 選 】


  あなたの闇とわたしの闇をやわらかくひかりで繋ぎ飛び交う蛍
                            横浜市  水野 真由美

一緒に蛍見物をしている二人。わかり合えない部分を持ちつつも、今晩は美しい光景を前に寄り添っている。 「闇」に、現実の闇と心の闇を重ね合わせた表現が印象的だ。                              【 俵  万智 選 】


  線香はかたちのままに灰となり悲しみは我の胸にのこれり
                            東京都  伊藤 強一

仏前の選考は細い棒状の物、蚊取り線香は太い渦巻状のものが多い。この一首は、後者の方であろう。耐えなければならぬ悲しみを、一夜耐え通した後の思いである。                                 【 岡野 弘彦 選 】


 ぶら下がる子もゐる子供みこしかな   八王子市  大串 若竹

夏祭の子ども神輿(みこし)。幼児も小学生もともに担ぐ。そのときの背丈の足らぬ子の様子。一読、噴き出した句。いるいるこんな子、と。こんな子がやがていい担ぎ手になる。                             【 宇多 喜代子 選 】


   大鍋の出番三度目蕗茹でる   神奈川県  熊谷 郁子

大鍋の出番は現代では少なくなったが、蕗の時期は特別ですでに3度目になったという素朴さがいい。                         【 矢島 渚男 選 】


   とこしへに22樺美智子の忌   埼玉県  酒井 忠正 

安保闘争の中で犠牲となった彼女は22歳だった。そして今もその若さのままでいるという。彼女とは卒業した年に同じ学科に入った後輩というかすかな縁がある。 
                                     【 矢島 渚男 選 】


  落書のような光を放ちつつ蛍は夜をでたらめに飛ぶ   
                         宮崎市  長友 聖次

「落書」と比喩し、「でたらめ」と描写しているが、決してマイナスの表現ではない。そこがユニークだし大きな魅力だ。予測不可能な蛍の動きに、目も心も奪われている様子が伝わってくる。                         【 俵  万智 選 】


  いつの間に好きになったのいつの間に色づいていたの紫陽花が咲く
                            横浜市  水野 真由美

恋心は、知らぬ間に色づいていた花のよう。「いつの間に色づいていたの」がのりしろになって、上下をうまくつないでいる。                【 俵  万智 選 】


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