目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  汚さない配慮のように消印が切手の猫の顔をよけてる 
                               堺 市  一條 智美

切手あるあるだ。偶然かもしれないが、心優しい必然と受け取りたい。
                                    【 俵  万智 選 】


  老人は黙(もだ)せと言うかスクラムも組みしことなき若きデモ隊
                             群馬県  伊与久 敏男

年はとっても心は錆(さ)びぬ、という心意気を見せた歌と見てとれ、作者のおよその年齢が察しられるような気がする。私は作者より少し上の年齢と思うが、気持ちは伝わる。                               【 岡野 弘彦 選 】


   昼寝覚大人ら何か食べており   東京都  徳山 麻希子

目が覚めると、大人たちが楽しそうに何か食べている。なんだかとても損した気分。でも大丈夫。 お菓子はちゃんと取ってありますよ。        【 正木 ゆう子 選 】


   花牛蒡「いじめないで」が花言葉   大和市  おおもりじゅん子

花の名と花言葉そのままの句だが、むしろ時事の句として挙げておきたい。「いじめないで」が、子供の悲しい叫びに聞こえる。            【 正木 ゆう子 選 】


   使はれぬ色となりたる余り苗   つくば市  村越 陽一

もう余り苗をあてにせずともいいほどに稲が育った。田の端に置かれていた苗の予備軍の色も褪(あ)せてきた。もう使われることはない。      【 宇多 喜代子 選 】


  Tシャツの肩に残った手の跡はムカデ競争努力の証
                              町田市  安藤 結美子

作者は中学生。体育祭でムカデ競争をしたときの歌である。Tシャツに皺(しわ)が残るほど強くつかまれた手の跡。結句が力強い。        【 栗木 京子 選 】 


   麦秋の真中に母を置いてきた   大垣市  七種 年男

一面の麦秋。その真ん中にお母さんがいる。かつての母との作業の景がいま麦秋の中に幻のようにみえてきた。「置いてきた」に曰(いわ)く言い難い母へのおもいが通う。                               【 宇多 喜代子 選 】


   曲りても突当りても炎天下   久喜市  深沢 ふさ江

炎天の一本道の暑さはもちろんだけれど、という前置きが省略されている。この人は道に迷っているのかも。一本道よりもっと暑そう。      【 正木 ゆう子 選 】


  真夏日が急に来るからサンダルの似合わぬ足があわてる六月 
                                燕 市  田巻 由美子 


素足にサンダルを履くためには、ペディキュア をしたり毛の処理をしたり、準備が必要だ。6月が、いかにも油断しそうな季節として効いている。 自分ではなく「足が」慌てるとしたユーモアも魅力だ。                  【 俵  万智 選 】


   このままを願ふやきみの髪洗ふ   前橋市  今井 幸子

多くを語っていないだけに、君が誰なのか気になる句。それによって解釈も違ってくる。夫か子か。作者はなぜその髪を洗っているのか。ただ、愛情だけが感じられる。
                                   【 正木 ゆう子 選 】


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