目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   八月や終りはいつもさみしくて   芦屋市  酒井 大輔

いくた暑い夏であっても、8月の終りには「夏の終り」という気分になる。あの気分が盛夏の終りのさみしさであろうか。                【 宇多 喜代子 選 】


   年寄りの本当の話終戦日   東京都  白木 静子

この年寄りの「本当の話」とは戦争の話であろう。戦争を知らない人たちにはとても本当とは思われないような話ばかりだ。やがて本当の話をする年代もいなくなる。
                                   【 宇多 喜代子 選 】


  風が十字に入り来る居間で過しつつ設計せし夫偲ぶ八月
                              船橋市  荒木 節子

窓から風が十字に入る部屋は夏でも過(すご)しやすいことであろう。設計した夫の力量をあらためて感心しながら、在りし日の姿を偲(しの)んでいる。「十字の入り来る」が印象深い。                          【 栗木 京子 選 】 


終戦日三百万の人柱   東大阪市  池田 喜信

戦争の死者三百万は平和への人柱。 その記憶を日本人はいつまで残し得るのか。                                   【 矢島 渚男 選 】


    これよりの短い未来盆の月   佐賀市  栗林 美津子

作者がお年寄とわかる句。いくら長寿社会だといわれても年をとれば「自らの残りの時間」を考える。 だがこれ即(すなわ)ち「未来」なのだ。 時間の長短に関係なく「未来」という二字はかがやかしい。               【 宇多 喜代子 選 】


掃苔や先祖に一人僧のゐし   和歌山市  針谷 国光

掃苔(そうたい)は盆を前にした墓掃除。先祖の墓をきれいにしてゆくと、僧侶が一人居たことが判明した。                       【 矢島 渚男 選 】


   嫌な人みな先立つと生身魂   八王子市  徳永 松雄

盆は生きている年長者に対しても、礼をもって接する日。その年長者が生身魂(いきみたま)。そのことばを録した。かなり生命力が強そうである。 
【 小澤  實 選 】


   ひとりずつこの世を抜けて盆踊   千葉市  椿  良松

生と死も、踊りの輪に入ったり抜けたりするようなものだろうか。この句の踊りの輪には、この世を抜けた人も踊っていそうだ。            【 正木 ゆう子 選 】


   砂粒にも皆影のある原爆忌   稲城市  日原 正彦  
 
砂粒にさえ影があるのに・・・。この後をどう解釈するか、一人一人に解釈を促す「問い」のような句である。影さえ消す一瞬の閃光(せんこう)だったか。死とは影の無くなることか。                          【 正木 ゆう子 選 】


   第百回高校野球原爆忌   長岡京市  みつきみすず

百回の節目だからこその一句。高校生と原爆忌。お盆までが重なって、命のせめぎ合うような8月。これも「問い」のようである。          【 正木 ゆう子 選 】


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