目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
朝取りのトマトに星の匂ひあり 相模原市 芝岡 友衛
朝もいだトマトの芳香を「星の匂ひ」と詠んだ。夜中に星が育てたか。星の養分を吸って育ったか。いずれにしても、不思議。 収穫のトマトのみずみずしさも感じられる。 【 小澤 實 選 】
朝もいだトマトの芳香を「星の匂ひ」と詠んだ。夜中に星が育てたか。星の養分を吸って育ったか。いずれにしても、不思議。 収穫のトマトのみずみずしさも感じられる。 【 小澤 實 選 】
夜光虫親より友を選びし日 広島市 佐保 光俊
親が絶対だった子供時代から、思春期に入って、初めて友達を優先した思い出だろう。親が止めるのを聞かず、夜の海へ行って見た神秘の煌(きら)めき。季語が抜群に効いている。 【 正木 ゆう子 選 】
親が絶対だった子供時代から、思春期に入って、初めて友達を優先した思い出だろう。親が止めるのを聞かず、夜の海へ行って見た神秘の煌(きら)めき。季語が抜群に効いている。 【 正木 ゆう子 選 】
黙祷の8時15分広島忌 東京都 杉中 元敏
昭和20年8月6日。広島市に世界最初の原子爆弾が落とされ、最初の4ヶ月間で約13万人が亡くなった。毎年広島市平和記念公園では平和祈念式が行われ投下された8時15分に黙祷が捧げらる。
【 森 澄雄 選 】
昭和20年8月6日。広島市に世界最初の原子爆弾が落とされ、最初の4ヶ月間で約13万人が亡くなった。毎年広島市平和記念公園では平和祈念式が行われ投下された8時15分に黙祷が捧げらる。
【 森 澄雄 選 】
うたた寝もかなはぬ月下美人の夜 大分市 櫛来 正宣
この句も、名前に美人とあるからには恋の気配を感じ取りたい。恋でなくても恋であるかのように詠み、読む。それも俳句の楽しさ。 【 正木 ゆう子 選 】
この句も、名前に美人とあるからには恋の気配を感じ取りたい。恋でなくても恋であるかのように詠み、読む。それも俳句の楽しさ。 【 正木 ゆう子 選 】
戦歴は語ることなき生身魂 銚子市 久保 正司
いつもはよく語ってくれる老人だが、自身の戦歴のことになると、一切、口を開かない。戦場でたいへんなことがあったのだろう。 ことに盆、戦友のことを思ってもいよう。 【 小澤 實 選 】
いつもはよく語ってくれる老人だが、自身の戦歴のことになると、一切、口を開かない。戦場でたいへんなことがあったのだろう。 ことに盆、戦友のことを思ってもいよう。 【 小澤 實 選 】
風鈴のよく鳴る夕べ妻の留守 倉吉市 西尾 昭之助
風鈴はいつもと同じように鳴っているのだろうが、いつもは妻の声や妻の動きなどで耳に入らなかったのだろう。妻の居る時より留守の時のほうに、妻の存在は大きく感じられるようである。 【 宇多 喜代子 選 】
風鈴はいつもと同じように鳴っているのだろうが、いつもは妻の声や妻の動きなどで耳に入らなかったのだろう。妻の居る時より留守の時のほうに、妻の存在は大きく感じられるようである。 【 宇多 喜代子 選 】
二人征き兄は還らず大文字 名古屋市 植木 照男
太平洋戦争に兄弟で出征市、兄は還らなかったのだ。 8月16日の夜、京都東山如意ヶ岳を中心に行われる大文字に、兄を偲(しの)んでいる。
【 森 澄雄 選 】
太平洋戦争に兄弟で出征市、兄は還らなかったのだ。 8月16日の夜、京都東山如意ヶ岳を中心に行われる大文字に、兄を偲(しの)んでいる。
【 森 澄雄 選 】
生身魂あれもこれもと言うふなかれ 東京都 白木 静子
盆には死者を祀(まつ)るだけではなく、生きている親など目上の者に対して礼を尽くす。その目上の者が生身魂(いきみたま)。敬すべき生身魂が元気でいろいろと注文をつけてきて、対応できない。まさに、現代の生身魂である
【 小澤 實 選 】
盆には死者を祀(まつ)るだけではなく、生きている親など目上の者に対して礼を尽くす。その目上の者が生身魂(いきみたま)。敬すべき生身魂が元気でいろいろと注文をつけてきて、対応できない。まさに、現代の生身魂である
【 小澤 實 選 】
玉音は十五の夏や終戦日 弘前市 岩田 秀夫
玉音は天皇の声。 昭和20年8月15日に、終戦の詔勅(しょうちょく)を告げる玉音放送があった。 よく聞き取れないが忘れがたい声であった。
「十五の夏」も強く印象に残る。 【 成田 千空 選 】
玉音は天皇の声。 昭和20年8月15日に、終戦の詔勅(しょうちょく)を告げる玉音放送があった。 よく聞き取れないが忘れがたい声であった。
「十五の夏」も強く印象に残る。 【 成田 千空 選 】
大仏のわずかに動く暑さかな 高岡市 杉本 透
この句のよさは「わずかに動く」にある。「動くようだ」「動いたように見えた」では言葉の瞬発力が消える。堪(たま)らない暑さの感じられる句。
【 宇多 喜代子 選 】
これを読んで、昔(’06.06)、日記帳にメモした句を思い出しました。
木のちから盛りあがりたり夏の山 四街道市 佐野 素子
【 宇多 喜代子 選 】
「木のちから盛りあがりたり / 夏の山」と詠むべきところを、
「木のちから / 盛りあがりたり夏の山」と詠んでしまい、
全然違う解釈をしていました。お恥ずかしことです。
この句のよさは「わずかに動く」にある。「動くようだ」「動いたように見えた」では言葉の瞬発力が消える。堪(たま)らない暑さの感じられる句。
【 宇多 喜代子 選 】
これを読んで、昔(’06.06)、日記帳にメモした句を思い出しました。
木のちから盛りあがりたり夏の山 四街道市 佐野 素子
【 宇多 喜代子 選 】
「木のちから盛りあがりたり / 夏の山」と詠むべきところを、
「木のちから / 盛りあがりたり夏の山」と詠んでしまい、
全然違う解釈をしていました。お恥ずかしことです。