目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
涅槃図の赤鬼の泣きじやくりけり
東京都 寺沢あつこ 【 小澤 實 選 】
東京都 寺沢あつこ 【 小澤 實 選 】
万が一の私のための九千と九百九十九の私
東京都 加藤あんぷ 【 小池 光 選 】
東京都 加藤あんぷ 【 小池 光 選 】
子規走る打つ捕る投げる桜舞う 町田市 中野 里梢
正岡子規の野球好きは有名。打者・走者などの用語を訳したのも彼だとか。一句に動詞が五つ。こんな破天荒を子規ならば喜びそう。
【 正木ゆう子 選 】
正岡子規の野球好きは有名。打者・走者などの用語を訳したのも彼だとか。一句に動詞が五つ。こんな破天荒を子規ならば喜びそう。
【 正木ゆう子 選 】
全員の髪黒々と新社員 東京都 岩崎 美範
新社員の男女すべての髪が黒々としている。ただ、一人として髪を染めているものはいない。黒髪にあらざるものは入社を許されぬのか。ちょっとこわい景でもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百人の新入社員黒スーツ さいたま市 藤井 健治
こちらは百人の新入社員全員が、例外なく黒スーツを着ている。厳しい就職戦線の勝者なのだが、どことなく重苦しさを覚えるのだ。
【 共に、小澤 實 選 】
新社員の男女すべての髪が黒々としている。ただ、一人として髪を染めているものはいない。黒髪にあらざるものは入社を許されぬのか。ちょっとこわい景でもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百人の新入社員黒スーツ さいたま市 藤井 健治
こちらは百人の新入社員全員が、例外なく黒スーツを着ている。厳しい就職戦線の勝者なのだが、どことなく重苦しさを覚えるのだ。
【 共に、小澤 實 選 】
風車ほがらほがらとよく廻る 土浦市 田宮 よし
なんと楽しい句だろう。「ほがらほがら」を味わうだけで、風車が春の季語として歳時記に採用されていることに納得がゆく。 【 宇多 喜代子 選 】
なんと楽しい句だろう。「ほがらほがら」を味わうだけで、風車が春の季語として歳時記に採用されていることに納得がゆく。 【 宇多 喜代子 選 】
水面を見れば小石を投げたがる男は平和を好まぬらしい
鹿児島市 地原 陽子
男って、どうしてこういう場面で、こういうことをするんだろう。下の句には異議もあるかもしれないが、男女の不思議な違いをとらえた歌として、面白い。
【俵 万智 選 】
【 参照 】
( 09.02.10 正木 ゆう子 選 )
石投げて何呼び戻す冬の海 愛西市 坂元 二男
そういえば男は水を見ると石を投げたがる。あれは何かを呼び戻して
いたのか。春や夏や秋でなく冬の海であるところがいい。
( 10.06.03 週刊文春・川柳 )
理科系のロマン川原の石ひとつ ( 北海道 結城 静 63歳 )
あ、それちょっと文系入ってる。
鹿児島市 地原 陽子
男って、どうしてこういう場面で、こういうことをするんだろう。下の句には異議もあるかもしれないが、男女の不思議な違いをとらえた歌として、面白い。
【俵 万智 選 】
【 参照 】
( 09.02.10 正木 ゆう子 選 )
石投げて何呼び戻す冬の海 愛西市 坂元 二男
そういえば男は水を見ると石を投げたがる。あれは何かを呼び戻して
いたのか。春や夏や秋でなく冬の海であるところがいい。
( 10.06.03 週刊文春・川柳 )
理科系のロマン川原の石ひとつ ( 北海道 結城 静 63歳 )

いとざくら枝も散かと思ひけり 嘯山(しょうざん)
短い俳句では言葉の勢いが一句の成否を決することがある。この句は好例。糸桜は枝垂れ桜のことだが、滝の水のように枝垂れ落ちる枝の勢いが「枝も散(ちる)かと思ひけり」という言葉を一気に誘い出す。こうして落下を急ぐ枝垂れ桜を描いた。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】
短い俳句では言葉の勢いが一句の成否を決することがある。この句は好例。糸桜は枝垂れ桜のことだが、滝の水のように枝垂れ落ちる枝の勢いが「枝も散(ちる)かと思ひけり」という言葉を一気に誘い出す。こうして落下を急ぐ枝垂れ桜を描いた。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】
垂涎の名酒並ぶや花筵 さいたま市 藤井 健治
人の花見をちょっと覗(おぞ)いてみた。筵(むしろ)に飲んでみたい銘柄の一升瓶がずらりと並んでいたのだ。酒好きにとって、うらやましい景である。
【 小澤 實 選 】
人の花見をちょっと覗(おぞ)いてみた。筵(むしろ)に飲んでみたい銘柄の一升瓶がずらりと並んでいたのだ。酒好きにとって、うらやましい景である。
【 小澤 實 選 】
草萌えてその草を引く職得たり 三木市 藤木 紫風
せっかく得た仕事だ。仕事大事と思いつつ、生えてきたばかりの若草を引く。
【 宇多 喜代子 選 】
せっかく得た仕事だ。仕事大事と思いつつ、生えてきたばかりの若草を引く。
【 宇多 喜代子 選 】
(もう電話しないで) という音楽を着信にしてずっと待ってる
東京都 加藤あんぷ
複雑な心理を普段着のことばでシンプルに綴って、機知に富む。拒絶というかたちのひとつの待ち方。今日も着信はなかった。 【 小池 光 選 】
東京都 加藤あんぷ
複雑な心理を普段着のことばでシンプルに綴って、機知に富む。拒絶というかたちのひとつの待ち方。今日も着信はなかった。 【 小池 光 選 】