目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
前をゆく逞しき尻青年の我にも過去にこの尻のあり
前橋市 笹村 明
男にとって尻は重要なパーツだ。野球選手などお尻のでかいこと、でかいこと。わが身にもあのような臀部がデンと備わっていた時期があった。着眼点、斬新。 【 小池 光 選 】
前橋市 笹村 明
男にとって尻は重要なパーツだ。野球選手などお尻のでかいこと、でかいこと。わが身にもあのような臀部がデンと備わっていた時期があった。着眼点、斬新。 【 小池 光 選 】
放尿の終はらん頃に尾てい骨そっと撫づれば残尿の出づ
直方市 住田 則雄
すごい発見をされた。この歌を読んで実際にためしてみる方、相当おられるような気がする。人体の神秘というか、ばかばかしさというか。
【 小池 光 選 】
直方市 住田 則雄
すごい発見をされた。この歌を読んで実際にためしてみる方、相当おられるような気がする。人体の神秘というか、ばかばかしさというか。
【 小池 光 選 】
秋草に分け入って秋草となる 加須市 松永 浮堂
秋草の中に分け入っているうちに自分自身が秋草そのものになってしまったような気がしたのだ。秋草への憧(あこが)れる思いがかたちになっている。夏草ではありえないだろう。 【 小澤 實 選 】
秋草の中に分け入っているうちに自分自身が秋草そのものになってしまったような気がしたのだ。秋草への憧(あこが)れる思いがかたちになっている。夏草ではありえないだろう。 【 小澤 實 選 】
「真夏日」も「猛暑日」もなく夏の日があるだけだった子どもの時代
池田市 今西 幹子
確かに、そうだった。真夏日とか猛暑日という呼称のために、この暑さをいっそう感じているのかもしれない。 【 俵 万智 選 】
池田市 今西 幹子
確かに、そうだった。真夏日とか猛暑日という呼称のために、この暑さをいっそう感じているのかもしれない。 【 俵 万智 選 】
海底山脈頂上の島椿の実 豊橋市 河合 清
伊豆大島や三宅島などは海底山脈の火山が隆起した島である。原句「頂上は」だったが、これだと科学的事実にすぎない。「の」とすれば現地に居るという感じになり、海底へのひろがりも思われるだろう。 【 矢島 渚男 選 】
伊豆大島や三宅島などは海底山脈の火山が隆起した島である。原句「頂上は」だったが、これだと科学的事実にすぎない。「の」とすれば現地に居るという感じになり、海底へのひろがりも思われるだろう。 【 矢島 渚男 選 】
鬱だっていいんじゃないか夏の空 袖ヶ浦市 鈴木 久枝
開き直りをそのまま句にしたところに感心。無理が無くていい。「夏の空」が「そうだよ、いいんだよ」と応えているよう。 【 宇多 喜代子 選 】
開き直りをそのまま句にしたところに感心。無理が無くていい。「夏の空」が「そうだよ、いいんだよ」と応えているよう。 【 宇多 喜代子 選 】
象の糞ぽろりと落ちぬ泥付きの焦げた芒の根のやうなもの
東京都 嶋田 恵一
かかる物体をこれほど綿密に観察し、かつ歌に仕立てる情熱に敬意を表す。そして、見方が実にユニークだ。動物園に行って、この通りか確かめたくなる。 【 小池 光 選 】
東京都 嶋田 恵一
かかる物体をこれほど綿密に観察し、かつ歌に仕立てる情熱に敬意を表す。そして、見方が実にユニークだ。動物園に行って、この通りか確かめたくなる。 【 小池 光 選 】
先輩に挨拶をするわが孫は今われ知らぬ少年になる
青梅市 石井 武美
礼儀正しく、少し緊張しながら先輩に挨拶(あいさつ)する孫。家族とはまた違った社会の中で生きる少年の姿が見える。下句が新鮮。
【 栗木 京子 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【参照 08.09.11】
夜光虫親より友を選びし日 広島市 佐保 光俊
親が絶対だった子供時代から、思春期に入って、初めて友達を優先した思い出だろう。親が止めるのを聞かず、夜の海へ行って見た神秘の煌(きら)めき。季語が抜群に効いている。 【 正木 ゆう子 選 】
青梅市 石井 武美
礼儀正しく、少し緊張しながら先輩に挨拶(あいさつ)する孫。家族とはまた違った社会の中で生きる少年の姿が見える。下句が新鮮。
【 栗木 京子 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【参照 08.09.11】
夜光虫親より友を選びし日 広島市 佐保 光俊
親が絶対だった子供時代から、思春期に入って、初めて友達を優先した思い出だろう。親が止めるのを聞かず、夜の海へ行って見た神秘の煌(きら)めき。季語が抜群に効いている。 【 正木 ゆう子 選 】
あの男この男とて古くなり 『柳多留(やなぎ だ る)』
あの男もこの男も古くなったと読むと、ぎょっとする。「あの男この男とて」で切れる。古くなったのは女のほうだ。あのころは縁談も星の降るほどあったのに最近はさっぱり。花の盛りが空しく過ぎてしまいそう。江戸の昔も結婚は一大事。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】
あの男もこの男も古くなったと読むと、ぎょっとする。「あの男この男とて」で切れる。古くなったのは女のほうだ。あのころは縁談も星の降るほどあったのに最近はさっぱり。花の盛りが空しく過ぎてしまいそう。江戸の昔も結婚は一大事。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】
をのづから角(かど)ひとつあれ人心あまり丸(まろ)きはころびやすきに
隆覚禅師(りゅうかくぜんし)
あるとき、隆覚のもとに平時頼(たいたのときより)から歌が贈られてきた。 「角あれば物のかかりてむつかしや心よこころまろまろとせよ」。それへの返し。あまりに丸いと転がってばかりで信用できない。 人の心には角の一つくらいあったほうがいいんですよ。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】
隆覚禅師(りゅうかくぜんし)
あるとき、隆覚のもとに平時頼(たいたのときより)から歌が贈られてきた。 「角あれば物のかかりてむつかしや心よこころまろまろとせよ」。それへの返し。あまりに丸いと転がってばかりで信用できない。 人の心には角の一つくらいあったほうがいいんですよ。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 】