目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   鶏をつぶしてよりの芋煮会      秋田市  中村 栄一

庭で飼っていた鶏をつぶして、はじめる芋煮会。 ということは芋など野菜も買ってきたものではなさそうだ。畑で丹精してきたものだろう。様々ないのちをいただく。                          【 小澤  實 選  】


  乗り換えを告げる電車のアナウンス今踏み出せば違う世界か
                          茨木市  瀬戸 順治

アナウンスにつられてつい乗り換えてみたくなる。直通電車も直通の人生も安心だが、時には退屈に感じられるもの。運命の分岐点はどこにでもある、と思わせる一首。                     【 栗木 京子 選 】



   大豆引く惜別の音地に籠る    北本市  春日 重信

「大豆引く」は大豆の茎葉と根とを引き抜くこと。収穫である。枯葉や豆が音を立てるが、その音を大豆の大地への惜別の音と聞き取った。草木の情をみごとに捉えた。                     【 小澤  實 選  】


   灰は栗の根元に還す毬焼いて    竹原市  岡元 稔元

栗の毬(いが)はなかなか土に還らない。焼いて灰にして、肥料として、栗の木に還してやるのだ。来年もこの木はいい実をつけるだろう。
                               【 小澤  實 選  】


  べらぼうに発音のよき児の英語太刀打ち出来ぬアイアムァばぁば
                            北本市  関  庸江

「・・・・・・私はばぁば」ではなく、そこに英語を挟んだところが、しゃれている。 「べらぼうに」も実感のこもった表現だ。           【 俵 万智 選 】



   色鬼や色無き風の中におり    東京都  松永 京子

色鬼は、鬼が赤と言えば赤いものに、青と言えば青いものに触れる遊び。色無き風という愁いを含んだ季語に、子供の無邪気な遊びを取り合わせて、いっそう愁いが深い。                                【 正木 ゆう子 選 】  



   行く秋の風をとらへし一樹かな    天理市  松田 吉憲

新樹のころ、葉の緑が旺盛なころ、そんな季節の樹が風をとらえるという句は特別のことではないが、「行く秋」の風となると様子が違う。衰退の季節のエネルギーか。                      【 宇多 喜代子 選 】


  マチュピチュの土産の塩や秋刀魚焼く   福山市  金尾 洵子  

南米ペルーの高地遺跡マチュピチュ。近くで塩も採れる。そこの土産に貰った塩で秋刀魚を焼いた。さぞ美味だったことだろう。   【 矢島 渚男 選 】



2c9cbf4c.jpeg   ゐのこにし かのこまだらのあかの餅
           白きをみれば砂糖なりけり
                         勝可  

 旧暦10月の最初の亥(い)の日が「亥の子」。
 亥の子餅をこさえて祝った。この狂歌の「あかの餅」は
 小豆の汁を混ぜて搗いた赤い餅。 亥の子餅なのに
鹿の子まだらとはどうしたことか。なめてみると砂糖だった。砂糖がまだ珍し
かった時代の歌。                  【 四季 ・ 長谷川 櫂 】


  木の枝で地面に書いたスキという言葉はただの傷跡みたい
                         高島市  宮園 佳代美

恋する思いを、なんとか客観的に見つめてみようとしているのだろう。あえて、ぶっきらぼうに呟く下の句に、乙女心がにじむ。      【 俵 万智 選 】



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