目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[189]  [190]  [191]  [192]  [193]  [194]  [195]  [196]  [197]  [198]  [199
  トルストイ逝きて百年あらためて吾は思はむ11月20日
                         岡山市  清水 紬夫 

トルストイが家を出て、アスターポボの駅長官舎で客死したのは、1910年11月20日。我々の年齢の者が、彼やドストエフスキーの文学から受けた影響は大きかった。                    【 岡野 弘彦 選 】


   炎にかへす堅炭りんと鳴りにけり   札幌市  村上 紀夫

あかあかとした炎に反応した炭の様子が簡潔にして的確に表現されている。堅炭なればこその「りん」だ。              【 宇多 喜代子 選 】



   冬の猫ヨーガの如きことをする   八王子市  徳永 松雄

くにゃくにゃと胴や手足を伸縮させる猫。人間にはできないかたちだ。寒さで丸く固まっていた姿態をほぐす猫にヨガのポーズを連想した視点の面白い句
                              【 宇多 喜代子 選 】


   ワニなにか妄想している小春かな   東京都   野上  卓

妄想の鰐を思うだけで愉快。 鰐いわく「わたしは、気持ちのいい小春日をじっと楽しんでいただけなのに、人間って複雑なんだなあ」。
                              【 宇多 喜代子 選 】


   漬ける人逝きて沢庵石と吾    佐倉市  広康 よしあき

毎年使ってきた沢庵石。今年はもう使ってくれる人がなく、ぽつねんとしている。そして、自分も。                   【 矢島 渚男 選 】


  とねりこの稲架(はざ)で覚えし逆上がり   射水市  刑部 安二

逆上がりを稲架で覚えただけでも面白いが、それなら事柄に過ぎない。具体的な木の名前があることで、ぐっと存在感のある句に。【正木 ゆう子 選】


   身に叶う小店勤労感謝の日    伊東市  勝野 草羊

この規模ならばまだ自分にも続けられるという小さなお店。いったい何のお店だろう。働く人へ、ではなく、働けることへの感謝。    【 正木 ゆう子 選 】


  「私もし百まで生きたらどうしよう」麻酔のさめし妹が言う
                         藤枝市  北泊 あけみ

麻酔からさめた妹は生まれ変わったような気分がしているのだろう。心配している作者をよそに余裕の発言が頼もしい。       【 栗木 京子 選 】



  ただ長く足跡も無く生きたれば子等(こら)忘れいむ我が誕生日
                     山口 聿子 ( やまぐち いつこ )

自分の半生をかえりみて思う。長く生きてきただけで何もしなかったと。人生のたそがれのとき、だれでもそんな悔恨にとらわれるだろう。人を愛し、子供を育て、まっとうに生きてきたことを忘れて。それ以上の仕事があるだろうか。 
                            【 四季 ・ 長谷川 櫂 】



   栗9ヶ2合5勺の米をとぐ     岩国市  松重 愛子

自分ならお米は何合にするかなと、思わず計算してしまう。そしてやはり2合5勺で納得。3合でないところが面白い。        【 正木 ゆう子 選 】



カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター