目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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    さまざまの事おもひ出す桜かな    芭蕉

2004年4月1日、「四季」はこの句からはじめた。大震災で1か月中断、再開するに当たってまたこの句から始めたい。惨事を経てふたたび唱えると、心に去来するものは7年前の春とは異なるだろう。 詩歌は人とともに生きている。                      【 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


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読売新聞は、昨日(13日・水)から、この「四季」、マンガ「コボちゃん」、そしてテレビの「番組欄」が震災前の定位置に戻りました。新聞を開いたときに 「あるべきところにあるべきものが無い」 不安から、やっと 開放された思いでいます。 そう! マスコミは新しい日々に向かってスタートを切ったようです。私も、そして「あなた」も、新しい明日に向かってスタートを切りましょう。

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■コボちゃんがおはようと言う元の位置  東京 中村 篁(たかし?)■

11.04.17付の「よみうり時事川柳 (長井好弘 選)」に載っていた作品です。私と同じ目線で一日のスタートを迎える人がいることに感動しました。
           



   駆け廻る犬たんぽぽの絮飛ばす   東京都  高橋 俊風

暖かくなったことが嬉しいのか、犬が野を駆けめぐっている。犬の身が蒲公英の絮(わた)に触れて、絮を飛ばしている。春爛漫である。【 小澤 實 選  】


  早春の空晴れわたり85歳われは舞台に羽衣を舞ふ
                         伊賀市  奥田 冨美子 

「のうその衣はこなたのにて候」 羽衣のシテ登場の言葉は、誰しも一度舞台で言ってみたいもの。 時と言い、所がらと言い、作者一代の晴れの舞台であったと思われる。                      【 岡野 弘彦 選 】


  単純な生活でいい下駄箱の去年使ったビーチサンダル
                          塩釜市  佐藤 龍二

捨てられるでもなく、きちんと片付けられるでもなく、なんとなく一年が経って
また出番が巡ってくるサンダル。「あるある」という共感と共に「単純な生活」についても考えさせられる一首。              【 俵 万智 選 】
   
   (塩釜市にお住まいの佐藤龍二さんのご無事をお祈りいたします)


   薄型のテレビの中に立体の梅の花咲く香りもせずに
                        仙台市  岩間 啓二

薄型テレビに映る超立体的な画像は、まるで手品のようだ。「香りもせずに」と言及することで発見に深みが加わった。        【 栗木 京子 選 】

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   新品のテレビに偕楽園の梅   横浜市  本多 豊明  

新品のテレビに映ったのが「偕楽園の梅」。さぞ美しかったろうと思う。さながら観梅の気分だ。 教条的にいうなら、テレビ画面や絵画の梅など、本来の季語でないということになろうが、ケース・バイ・ケース。 いっこうにかまわぬ。この句の臨場感捨てがたし。              【 宇多 喜代子 選 】


   みごもりしことはまことか四月馬鹿   安住  敦
              第3句集 『古暦』 ( 昭和29年 ・ 春燈社 )

これは男の心境でしょうね。 「わたし、できちゃったの」といわれた男の感慨で、四月馬鹿だからエイプリルフールの嘘ではないか、と疑いつつも、やっぱり落ちつかない。 この句の謎は四月馬鹿にあって、つきあっている女に妊娠を告げられれば、男は狼狽する。嘘だろう、ともいえないし、ああ、どうしよう。妻にそういわれた時だって、嬉し恥かしの気分で、男の緊張は高まるばかり。
    【 '11.04.14 週刊新潮 ・ 新々句歌歳時記  嵐山 光三郎 選 】



   石ひとつ動かしてみる春の川    横浜市  竹村 清繁

眠ったようだった川がいきいきと輝き始めた。そんな川の石を動かしてみた。他の季節にはこんなことはしないだろう。 季節の弾みだ。
                             【 宇多 喜代子 選 】

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 【 ’11.04.26 「おことわり」より 】
    先行句があるため(盗作?)入選を取り消します。



  めざはりなもの除くべく天安門広場にけふもゴミ屑のなし
                        東京都  岩崎 祐太

北京の天安門広場。 清潔を心がけてゴミ屑の掃除をしているというより、目障りなものを排除している冷たさを作者は感じている。「けふも」に込めた思いが犀利(さいり)である。               【 栗木 京子 選 】



  グーの手を開いてごらん少年よパーでいるからあいこになろう
                         高島市  宮園佳代美

拳を固く握りしめた少年。グーは閉ざされた少年の心の象徴だろう。無理に開かせるのではない下の句の発想が素晴らしい。じゃんけんの比喩が自然なところも見どころだ。                    【 俵 万智 選 】



  にんげんとしてはいい奴落第す    大分市   阿南  宙女

このような子、いるいる、思わず口走る。こんなことが俳句になるのと言われそうだが、森羅万象、心を寄せたもので俳句にならないものはない。私、この落第子好きです。                    【 宇多 喜代子 選 】



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