目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
背面跳びして夏空へ胸開く 上尾市 中野 博夫
走り高とびの競技を行っている。バーを背中で越えると、胸はおのずから開いたかたちになるのだ。 夏空が気持いい。 人間の鍛え抜いた肉体をたしかに描きえている。 【 小澤 實 選 】
走り高とびの競技を行っている。バーを背中で越えると、胸はおのずから開いたかたちになるのだ。 夏空が気持いい。 人間の鍛え抜いた肉体をたしかに描きえている。 【 小澤 實 選 】
手作りのちまき届きてふるさとに育ちし笹の香りをひらく
池田市 今西 幹子
何歳になっても、自分を子どもとして見守ってくれる故郷。そんな安心感にも似た喜びが伝わってくる。結句の「ひらく」がいい。 【 俵 万智 選 】
池田市 今西 幹子
何歳になっても、自分を子どもとして見守ってくれる故郷。そんな安心感にも似た喜びが伝わってくる。結句の「ひらく」がいい。 【 俵 万智 選 】
家々に青空のある端午かな 所沢市 岡部 泉
青空と端午は一見平凡な取り合わせだが、よく読むと上五がユニーク。
一軒一軒の家の誇らしさが伝わって、いかにも端午の節句らしい。
【 正木 ゆう子 選 】
青空と端午は一見平凡な取り合わせだが、よく読むと上五がユニーク。
一軒一軒の家の誇らしさが伝わって、いかにも端午の節句らしい。
【 正木 ゆう子 選 】
菖蒲湯に二人で入りし日もありし 調布市 菊島 登
一緒に入ったのは誰だったのだろう。男か女か? 男とすれば父か兄弟か。女とすれば母か、妻か、それとも? 短い俳句は、それ以上言えないし、 言わない。それだから面白い。 【 矢島 渚男 選 】
一緒に入ったのは誰だったのだろう。男か女か? 男とすれば父か兄弟か。女とすれば母か、妻か、それとも? 短い俳句は、それ以上言えないし、 言わない。それだから面白い。 【 矢島 渚男 選 】
つばくらめ○に□に△に 東松山市 由井 清房
勢いよく飛ぶ燕は、たしかにこのようなさまざまなかたちをかたどっている。 仙厓の禅画にも似たものがあった。これも命のかたち。 【 小澤 實 選 】
勢いよく飛ぶ燕は、たしかにこのようなさまざまなかたちをかたどっている。 仙厓の禅画にも似たものがあった。これも命のかたち。 【 小澤 實 選 】
シャワー全開やられたらやり返す 京都市 峰尾 秀之
穏やかではないが、男子ときにはこんなこともあるだろう。ストレートな表現と「全開」の相乗効果で、さっぱりとした印象。からりと明るいところがいい。
【 正木 ゆう子 選 】
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「穏やかではないが・・・」と正木先生はどんなシーンを想像されているのか、一瞬、考えてしまいました。 風呂場で、無邪気にシャワーで戯れる男の子たちを想像してしまう私には、俳句の道はまだまだ遠いようです。
穏やかではないが、男子ときにはこんなこともあるだろう。ストレートな表現と「全開」の相乗効果で、さっぱりとした印象。からりと明るいところがいい。
【 正木 ゆう子 選 】
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「穏やかではないが・・・」と正木先生はどんなシーンを想像されているのか、一瞬、考えてしまいました。 風呂場で、無邪気にシャワーで戯れる男の子たちを想像してしまう私には、俳句の道はまだまだ遠いようです。
千年の御身かがやく滝桜 会津若松市 壁谷 宏
よく知られた三春の滝桜。樹齢千年だといわれているが、よくぞ長い風雪に耐えてきたものだと思わせる大きな枝垂桜だ。 「御身」 は、この桜の命への最高の賛辞だろう。 【 宇多 喜代子 選 】
よく知られた三春の滝桜。樹齢千年だといわれているが、よくぞ長い風雪に耐えてきたものだと思わせる大きな枝垂桜だ。 「御身」 は、この桜の命への最高の賛辞だろう。 【 宇多 喜代子 選 】
八十の細腕ころも更へにけり 千葉市 小林 昭
80は過ぎているが、スリムで、小粋で、健康。夏が立てば、おのずと単衣に更えているのである。「細腕」がたしかな把握だった。 【 小澤 實 選 】
80は過ぎているが、スリムで、小粋で、健康。夏が立てば、おのずと単衣に更えているのである。「細腕」がたしかな把握だった。 【 小澤 實 選 】
ゴールデンウィーク無料の時間過ごしけり 伊藤 実那
生活に根差しながら、しかし秀句がないという季語がある。黄金週間(ゴールデンウィーク)がその一つである。その中で私を感動させたのが、この一句である。 どこにも出かけない無為な時間を過ごしている自分自身を、見事に投影させた哀切感のある作品。
【 角川 春樹 選 魂の一行詩 ( ’12.06.02 ) 】
生活に根差しながら、しかし秀句がないという季語がある。黄金週間(ゴールデンウィーク)がその一つである。その中で私を感動させたのが、この一句である。 どこにも出かけない無為な時間を過ごしている自分自身を、見事に投影させた哀切感のある作品。
【 角川 春樹 選 魂の一行詩 ( ’12.06.02 ) 】
肉体よりおのづと出づる短い声ピアノの音の奥に聴きあつ
横山 未来子 ( よこやま みきこ )
亡きピアニスト、グレン・グールド。古いレコードを聞いていると曲の向こうからうめくような声が聞こえる。 ため息のようでもあれば、あえぎのようでもある。雑音にはちがいないが懐かしくもある。この歌の作者もそんな思いだろうか。
【 '12.5.30 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
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最後の「聴きあつ」の部分は、どのように解釈すればよいのか分かりません。
櫂(かい)さん、教えてください・・・。
横山 未来子 ( よこやま みきこ )
亡きピアニスト、グレン・グールド。古いレコードを聞いていると曲の向こうからうめくような声が聞こえる。 ため息のようでもあれば、あえぎのようでもある。雑音にはちがいないが懐かしくもある。この歌の作者もそんな思いだろうか。
【 '12.5.30 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
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最後の「聴きあつ」の部分は、どのように解釈すればよいのか分かりません。
櫂(かい)さん、教えてください・・・。