目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
勉強がいちばん嫌い秋高し 西条市 平井 辰夫
「勉強が嫌い」はよく聞くが、「いちばん嫌い」なのである。さてさて困ったものだが、「秋高し」の折も折、マ、いいか。 【 宇多 喜代子 選 】
「勉強が嫌い」はよく聞くが、「いちばん嫌い」なのである。さてさて困ったものだが、「秋高し」の折も折、マ、いいか。 【 宇多 喜代子 選 】
台所にみえかくれするゴキブリよ元気でな俺明日引っ越す
山口県 末広 正己
ゴキブリへの挨拶の歌。 めずらしい。 われは去り、きみらっは残る。 思えば長いつきあいであった。 達者でいろよ。次に来る人らと仲良くしろよ。みんなともだち。 【 小池 光 選 】
山口県 末広 正己
ゴキブリへの挨拶の歌。 めずらしい。 われは去り、きみらっは残る。 思えば長いつきあいであった。 達者でいろよ。次に来る人らと仲良くしろよ。みんなともだち。 【 小池 光 選 】
新宿ははるかなる墓碑鳥渡る 福永 耕二
新宿駅西口の高層ビル群は、夕暮れになると黒く染まり、巨大な墓に見える。都会の墓碑である。墓碑のあいだを渡り鳥が飛んでいく。句に遠近法があり、ビルの奥に鳥が飛んで、消えていく。西口一体は、私が学生のころはススキの穂がなびく野原であって、渡り鳥が飛んでいった。唐十郎が「新宿見たけりゃいま見て置きゃれ、じきに新宿原になる」といってテント芝居を興行したころを思い出した。 『踏歌』(昭和55年・東京美術)
【 '12.10.18 週刊新潮 新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 】
新宿駅西口の高層ビル群は、夕暮れになると黒く染まり、巨大な墓に見える。都会の墓碑である。墓碑のあいだを渡り鳥が飛んでいく。句に遠近法があり、ビルの奥に鳥が飛んで、消えていく。西口一体は、私が学生のころはススキの穂がなびく野原であって、渡り鳥が飛んでいった。唐十郎が「新宿見たけりゃいま見て置きゃれ、じきに新宿原になる」といってテント芝居を興行したころを思い出した。 『踏歌』(昭和55年・東京美術)
【 '12.10.18 週刊新潮 新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 】
ひとり消えまたひとり消え風の盆 仙台市 上郡 長彦
尺八や胡弓の物悲しい調べにのって踊られる富山県八尾の風の盆。夜更けの町流しのしめやかな情景を見事に切り取っている。【 矢島 渚男 選 】
尺八や胡弓の物悲しい調べにのって踊られる富山県八尾の風の盆。夜更けの町流しのしめやかな情景を見事に切り取っている。【 矢島 渚男 選 】
浦上の空いっぱいに鰯雲 諫早市 麻生 勝行
「浦上」は長崎の北部。 爆心地がある地区である。 おのずと、キノコ雲が連想されるが、いま頭上に広がるのは「鰯雲(いわしぐも)」。「いっぱいに」に思いがこもる。 【 宇多 喜代子 選 】
「浦上」は長崎の北部。 爆心地がある地区である。 おのずと、キノコ雲が連想されるが、いま頭上に広がるのは「鰯雲(いわしぐも)」。「いっぱいに」に思いがこもる。 【 宇多 喜代子 選 】
平然と路上駐輪する人等その人達も政治を謗(そし)る
東京都 小松 武治
政局を批判するのは悪いことではないが、声高にものを言う人に限って身近なルールを守らなかったりする。 路上に自転車をとめるのは危険。 まず、自分の足元を見よう。 【 栗木 京子 選 】
東京都 小松 武治
政局を批判するのは悪いことではないが、声高にものを言う人に限って身近なルールを守らなかったりする。 路上に自転車をとめるのは危険。 まず、自分の足元を見よう。 【 栗木 京子 選 】
禁欲のヨハネへ桃の産毛かな 石山 秀太郎
「禁欲のヨハネ」とは、イエス・キリストに洗礼を施した預言者。「桃の産毛」とは、エロスの象徴である。この句の場合、ヨハネの首を所望したサロメを描いた作品。 【 角川 春樹 選 魂の一行詩 (12.10.06) 】
「禁欲のヨハネ」とは、イエス・キリストに洗礼を施した預言者。「桃の産毛」とは、エロスの象徴である。この句の場合、ヨハネの首を所望したサロメを描いた作品。 【 角川 春樹 選 魂の一行詩 (12.10.06) 】
畝立てる日のある暮し晩夏光 横浜市 小林 敏和
畝立の句ではなく、畝(うね)を立てる日のある暮しの句なのである。そんな暮しを新鮮に思う気持ちが表れていて、充足感が伝わる。
【 正木 ゆう子 選 】
畝立の句ではなく、畝(うね)を立てる日のある暮しの句なのである。そんな暮しを新鮮に思う気持ちが表れていて、充足感が伝わる。
【 正木 ゆう子 選 】
流れ星夜店途切れるあの感じ 東京都 森 彰一郎
人はそれぞれ思わぬものを似ていると感じるものである。突然途切れて闇になる、あの感じ。わかりやすくはないが、わかる。 【 正木 ゆう子 選 】
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私の感性? この句に関しては解説を読んで理解(わか)る程度・・・。
人はそれぞれ思わぬものを似ていると感じるものである。突然途切れて闇になる、あの感じ。わかりやすくはないが、わかる。 【 正木 ゆう子 選 】
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私の感性? この句に関しては解説を読んで理解(わか)る程度・・・。
日本を愛す秋刀魚をいただきます 春日部市 星 道夫
「日本を愛す」に取り合わせるのに、いただくのはおはぎでも南瓜(かぼちゃ)でも雑煮でも何でもよさそうなものだが、やっぱり秋刀魚(さんま)で納得。
【 正木 ゆう子 選 】
「日本を愛す」に取り合わせるのに、いただくのはおはぎでも南瓜(かぼちゃ)でも雑煮でも何でもよさそうなものだが、やっぱり秋刀魚(さんま)で納得。
【 正木 ゆう子 選 】