目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[153]  [154]  [155]  [156]  [157]  [158]  [159]  [160]  [161]  [162]  [163
   勉強がいちばん嫌い秋高し   西条市  平井 辰夫

「勉強が嫌い」はよく聞くが、「いちばん嫌い」なのである。さてさて困ったものだが、「秋高し」の折も折、マ、いいか。         【 宇多 喜代子 選 】


  台所にみえかくれするゴキブリよ元気でな俺明日引っ越す
                          山口県  末広 正己

ゴキブリへの挨拶の歌。 めずらしい。 われは去り、きみらっは残る。 思えば長いつきあいであった。 達者でいろよ。次に来る人らと仲良くしろよ。みんなともだち。                           【 小池  光 選 】


   新宿ははるかなる墓碑鳥渡る   福永 耕二

新宿駅西口の高層ビル群は、夕暮れになると黒く染まり、巨大な墓に見える。都会の墓碑である。墓碑のあいだを渡り鳥が飛んでいく。句に遠近法があり、ビルの奥に鳥が飛んで、消えていく。西口一体は、私が学生のころはススキの穂がなびく野原であって、渡り鳥が飛んでいった。唐十郎が「新宿見たけりゃいま見て置きゃれ、じきに新宿原になる」といってテント芝居を興行したころを思い出した。      『踏歌』(昭和55年・東京美術)
     【 '12.10.18 週刊新潮 新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 】


   ひとり消えまたひとり消え風の盆   仙台市  上郡 長彦

尺八や胡弓の物悲しい調べにのって踊られる富山県八尾の風の盆。夜更けの町流しのしめやかな情景を見事に切り取っている。【 矢島 渚男 選 】


  浦上の空いっぱいに鰯雲   諫早市  麻生 勝行

「浦上」は長崎の北部。 爆心地がある地区である。 おのずと、キノコ雲が連想されるが、いま頭上に広がるのは「鰯雲(いわしぐも)」。「いっぱいに」に思いがこもる。                      【 宇多 喜代子 選 】


   平然と路上駐輪する人等その人達も政治を謗(そし)る
                        東京都  小松 武治

政局を批判するのは悪いことではないが、声高にものを言う人に限って身近なルールを守らなかったりする。 路上に自転車をとめるのは危険。 まず、自分の足元を見よう。                   【 栗木 京子 選 】


   禁欲のヨハネへ桃の産毛かな   石山 秀太郎

「禁欲のヨハネ」とは、イエス・キリストに洗礼を施した預言者。「桃の産毛」とは、エロスの象徴である。この句の場合、ヨハネの首を所望したサロメを描いた作品。         【 角川 春樹 選 魂の一行詩 (12.10.06) 】


   畝立てる日のある暮し晩夏光   横浜市  小林 敏和

畝立の句ではなく、畝(うね)を立てる日のある暮しの句なのである。そんな暮しを新鮮に思う気持ちが表れていて、充足感が伝わる。
                              【 正木 ゆう子 選 】


   流れ星夜店途切れるあの感じ   東京都  森 彰一郎

人はそれぞれ思わぬものを似ていると感じるものである。突然途切れて闇になる、あの感じ。わかりやすくはないが、わかる。     【 正木 ゆう子 選 】

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の感性? この句に関しては解説を読んで理解(わか)る程度・・・。


   日本を愛す秋刀魚をいただきます   春日部市  星 道夫

「日本を愛す」に取り合わせるのに、いただくのはおはぎでも南瓜(かぼちゃ)でも雑煮でも何でもよさそうなものだが、やっぱり秋刀魚(さんま)で納得。
                              【 正木 ゆう子 選 】


カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター