目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  この年の決断として日記を止む35年の記録消去す
                     市原市  井原 茂明

「今年は日記をつけよう」というのも決断なら、「今年から日記を止めよう」というのも決断である。後者の決断の方が何倍も重い。35年の習慣を捨て、新しい生活に入るのだ。                  【 小池  光 選 】



  三次元マスクが道に落ちてありここが地球の鼻というごと
                       八幡市  会田 重太郎

立体形状を呈するマスクが出回っている。それが上向きに道に落ちている。まるで地球の鼻を隠すように。視点がユニークだ。    【 小池  光 選 】



   熱い風呂体の氷がとけてゆく
         東京都 清瀬市立清瀬小学校4年  村上 貴彦

冷えた体に、たっぷりの熱い湯ほどありがたいものはありません。
「体の氷」という表現が面白いですね。
         【 ’13.02.23(夕) KODOMO 俳句 高柳 克弘 選 】



   ししまいにかんでかんでとついていく
        東京都 江東区立八名川小学校5年  宮野 彩花

ししまいにかまれると、その年は健康でいられると言われます。小さな子供の場合、怖(こわ)くて泣いたりするものですが、もう5年生の作者は平気なのです。積極的にししまいにかまれようとついていくところにたくましさを感じます。
         【 ’13.02.23(夕) KODOMO 俳句 高柳 克弘 選 】



   寒昴見つけてよりの仰ぎ癖   木更津市  染谷  昇

昴が中天に見える頃になると、確かに歩いていてもつい空を仰ぐようになる。見つけると、その度に嬉しく、見飽きるということがない。 【 正木 ゆう子 選 】 



   天狼と孤独を分かつ晴夜かな   旭市  神田 順二

天狼は天狼星、シリウスである。 冬の季語にしていいだろう。 天の星と 地の我とが、それぞれ孤独に在る。寒い夜だ。確かな認識とともに生きていくという意志を感じる。                     【 小澤  實 選 】


   水仙や軍艦島という孤独   諫早市  麻生 勝行

軍艦島は、長崎沖の孤島。炭鉱でにぎわったが、現在は無人島。作者は遠望して島の孤独を感じ取ったか。足元の水仙もすがすがしい。
                               【 小澤  實 選 】


   この寒さ何にもせずに座ってる   長浜市  川村 麗子

何かをしていてもしていなくても寒い。 どこに座っているのかは不明だが、 「寒さ」ってこんなもの。着膨れて背を丸め、寒い寒いとただ座っている。
                             【 宇多 喜代子 選 】



 【 小池  光 選 】
   
  ギャンブルにのめり込みたる泥沼救いくれしは歌を詠む趣味
                        牛久市  井上 梅太

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 (助動・下二型) 【古】 「る」の古い形。「泣か‐」
   (格助) 【古】 ① より  ② を通って 「田子の浦‐」


  あちこちに献花のごとし白鳥来(く)   久慈市  和城 弘志

渡来した白鳥が方々にかたまって餌を啄んでいる。それが、死者たちへの献花のように見える。津波の被災地であればこその思いであろう。
                               【 矢島 渚男 選 】


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