目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   春の雪屋根の形にみとれをり   あきるの市  戸田 幸雄

雪に対する感想はさまざま。たまに降る所では新鮮で美しい。平素見慣れた屋根の形も珍しく感じられて見入っている。      【 矢島 渚男 選 】


1月21日の歌壇「仰向けの君の涙が耳の穴に入っていくのをじっとみていた」は、二重投稿のため入選を取り消します。


   紙雛の目鼻なけれど笑まひをり   能代市  小田嶌 恭葉

紙を折りたたんだだけの紙雛で目鼻はないが、どこか笑っているように感じられるという。雪国にも春が近い。「笑まふ」の語が優美だ。【矢島 渚男 選】


   初蝶の機嫌の高み低みかな   越谷市  小林 ゆきお

蝶がひらひらと飛ぶ様子を「機嫌の高み低み」と表現して、初蝶に出会ったときの躍動する作者の気分を盛り込んだ句。     【 宇多 喜代子 選 】


   歩きつつ泣くのはおよし冬の蜂   生駒市 山村  修

人間に言っているとも取れるが、哀れな蜂に呼びかけていると解釈したほうが面白い。冬の蜂が歩きながら泣くとは、それだけで詩。  【 正木 ゆう子 選 】


  白髪をお下げに編みて臥す母の枕辺の柚子淡く匂へり
                      伊勢崎市  川野 忠夫

髪が乱れないようお下げにして臥している母。 少女のような清らかさが胸を打つ。下句に香りを配したところも周到である。     【 栗木 京子 選 】



   落葉踏み弟の音兄の音   熊本県  田村 三渓

落葉を踏んでたつ音というのは、人間がたてる音の中でもっとも好きな音かもしれない。作者は弟の音と兄の音とを聞き分けているのだ。幼い二人への愛も感じる。                         【 小澤  實 選 】



   命ひとつ神にあずけて七日粥   埼玉県  小鹿原 君江

自力では如何ともし難いのが「命ひとつ」だが、あれこれ悩むことなく今年の「七日粥」を頂く。                   【 宇多 喜代子 選 】


  降る雪にまだまだ降るという予報   西条市  森平 美都子

多雪地帯の方々にとって、予報だとはいえ、この「まだまだ」は 「やれやれ」と同じだろう。ひたすら春が待たれる。          【 宇多 喜代子 選 】



  アルジェより遺体もどりぬ遺骨なき叔父の戦後はいまだ終わらず
                           東京都  藤井 まさ

今回の悲劇に心を打たれながら、また こういう思いを蘇らせる人もある。 3・11の災禍に近親を失った方にも同じ嘆きはある。この地球から悲しみは消えない。                         【 岡野 弘彦 選 】 


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