目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  囀(さえず)りの森に闖入してひとり   神奈川県  中島 やさか

闖入(ちんにゅう)は邪魔するという感じだが、野鳥観察の草分け中西悟堂は何時間も岩のように座り、小鳥たちが体に止まる迄になったと伝えられる。友達になったのだ。こうなれれば、もう ひとりではない。 【 矢島 渚男 選 】 


   春はあけぼの一言主神が口開く   秩父市  須田 真弓

たしかに「春はあけぼの」がいい。「一言主神」は一言でことの吉凶を決めるとされる神で大和葛城山の神。この神が春曙に春の気をそこここに送り放ち始めた。構えが大きく、虚から生じる実が楽しい。 
     < 【注】 「一言主神」の読み方が分かりません・・・。 >
                              【 宇多 喜代子 選 】


  反安保の全学連と対峙せし機動隊員われの青春
                     岸和田市  小岡 和正

  ――――――――――――――――――― 【 岡野 弘彦 選 】


3月25日の俳壇「寒卵たまごが先と思ひけり」は既発表作があるため、
4月1日の歌壇「吃音の辛さ思へば溶接のやけどの痛さ苦にならざりき」は二重投稿のため、入選を取り消します。
告知 
このところ、ほかの媒体で発表された作品の類似作の投稿や、同様の作品を複数の媒体に投稿する二重投稿が増えています。応募規定に違反すると認められる投稿者の作品は以降、採用を控えます。 


   向日葵や信長の首斬り落とす  角川 春樹

明治の頃、大須賀乙字という俳人がいて、多数の俳論を発表した。なかでも、二句一章論が知られている。 私の父 源義は乙字の二句一章論が 俳句のドラマ性を生むことに着目し、この句の実践者として俳誌「河」を創刊した。二句一章とは、相互に何の関連もないものを一句に仕立てる事で新しい世界を現出させる手法である。しかし私は、材料と季題との関連に、イメージの奥に通底するものがあるほうが良い、と考える。 
             【 角川 春樹 選 魂の一行詩 (13.04.08) 】 


    毎日があり 3・11(さんてんいちいち)があり   
                         名取市  里村  直

毎日の日常を取り戻してはいるが、3月11日はいかんともしがたい特別の日として来る。ぶっきらぼうな表現、句またがりの奥にある言い難く苦いものを思う。                              【 小澤  實 選 】



   花びらは清楚蘂は奔放梅真白   横浜市  谷口 一好

花びらは清楚、蜜をためて蜂を待つ蘂(しべ)は奔放と白梅の花を詠う。 蘂が奔放だと言う感受に独自なものがある。      【 矢島 渚男 選 】 


   北窓を開く誰かに会うように   新潟市  高橋 松月

冬には「北窓塞ぐ」。 春ひさびさにその「北窓を開く」。 いずれも季語。
「誰かに会うように」に春との再会の気分があふれている。 
                              【 宇多 喜代子 選 】


  お神渡りは今年二度めと伝えきぬ大きつとめを果たせし山湖
                         東京都  久保田 仁

お神渡(みわた)りは 冬の諏訪湖の氷に割れ目が入り、諏訪大社の神の渡御の現れとする信仰。諏訪とゆかり深い作者はそれを知らされて、2度のお渡りに格別の感慨を示す。               【 岡野 弘彦 選 】


  雛の夜にお内裏様の陰口をたっぷり2時間娘と語る
                      下関市  坂本 育子

坂本家の「お内裏様」はその時まだ帰宅していなかったのだろうか。「陰口」とあるものの夫への愛情をいっぱいに湛(たた)えた歌。 【 栗木 京子 選 】


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