目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  喘ぎつつ甘樫の丘にのぼりきぬ天の褒美のごとき夕焼
                奈良県  増田 福三

甘樫 (あまかし) の丘は古代の明日香の里を一望できる、飛鳥川沿いの岡。 今は登りやすい道がついているが、頂に立つと万葉の古代がまざまざと胸に迫って、万感耐えがたくなる。                        【 岡野 弘彦 選 】


   稲刈りでなついたかえるをにがしたよ
       東京都 江東区立川南小学校5年  福本 慈武

稲刈り体験の途中で隠れていた蛙を見つけたのです。しばらく遊んで放してやるときには、自分のペットになった気持ちだったのでしょう。小さな生き物とのささやかな交流が、読む者の心をなごませてくれます。
                 【 ’13.11.16 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   すこしづつ人のかたちに毛糸編む   齋藤 朝比古 ( さいとう あさひこ )

洋服も着物も、人の着るものは人の形をしている。この句を読んで、あらためてこの単純な事実に気づいた。 それとともに人の形が愛(いと)おしく思えた。 句の中で編み物をしている人も、人の形を愛おしみながら一目一目編んでいるのだろうか。 
                     【 '13.11.13 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


    追いつけず抜かれもせずに秋の暮   釧路市  籠嶋 雪子

中七までだと、たとえば駅までの道かしら、帰路かしらなどと思うが、「秋の暮」で一転、人生観のようなものが感じられてくる。          【 宇多 喜代子 選 】


   友の子も吾子も頼もし運動会   京都市  島野 紀子

なんともほほえましい気分にさせられた句。どちらが早く走ったとか飛んだとかの勝ち負け以前の子の成長を喜んでいる。こういう時期を通ってこそ、子の個別の差異は磨かれるのだろう。                        【 宇多 喜代子 選 】


   秋桜子にコスモスの句のありやなし   所沢市  阿部  至

秋桜子の俳号は奥さんの女学校時代の渾名によると聞いたことがある。一度お見かけしたことがったが、スラリと背の高い人だった。さて、コスモスの句はあったかな? 
                                    【 矢島 渚男 選 】


   衣被身を押し出しぬぬるりつと   埼玉県  小林 里美

「衣被(きぬかつぎ)」の説明といえば、説明なのだが、「ぬるりつと」がうまいと思った。衣被の皮を通しての感触が、巧みに捉えられているのだ。 【 小澤  實 選 】


   新米に生卵こそ日本人   つくば市  村越 陽一

新米を炊いたご飯に生卵をかけて食べる贅沢(ぜいたく)。海外では生卵は食べられないという。 恵まれた環境にあることをあらためて思う。    【 小澤  實 選 】


   手でこすり林檎磨きておいしくす   水戸市  中崎 正紀

素手でこすって、林檎(りんご)を磨いてしまうというのだ。当然、皮は剝(む)かないでかぶりつく。 こうしないとおいしくない。 自分流の食べ方。   【 小澤  實 選 】


   崖に佇(た)つ投入堂や曼珠沙華   名古屋市 浅井 清比古

鳥取県の三仏寺投入堂は、崖に張り付くように建てられている。突然葉も出さないで咲く曼珠沙華の不思議さと通う。「佇」はじっと一か所に立ち止まるという意味。 
                                     【 小澤  實 選 】


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