目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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【 宇多 喜代子 選 】
   ただ海を見る12月8日かな   別府市  河野 靖朗


   まづ坐るための冬の灯ともしけり   東京都  中山 清彦

自分の部屋に帰って来て、灯火をともす。それは自分が坐(すわ)る場所を照らすためだというのだ。 独りの生活が思われる。 内面の清らかさまで照らし出すような冬灯である。                            【 小澤  實 選 】


   湯湯婆の袋新調四人分   藤沢市  原島 幸子

回想の句だろうか。それとも現在の句か。家族四人分のゆたんぽの袋を新調している。生活の細部を大切にする作者と知られる。        【 小澤  實 選 】


   二番目の子の不満顔秋の薔薇   西東京市  田中 睦子

一読この子の不満顔の様子がわかる。それでも薔薇はきれいだ。而して二番目根性は磨かれ、強くなる。 がんばれ、二番目。         【 宇多 喜代子 選 】


   台風や風に逆らい飛ぶからす
             仙台市立幸町南小学校6年  小島 梨奈

強い風に挑戦するかのようです。カラスはあまり人に好(す)かれる鳥ではありませんが、このように詠まれると、どこかけなげに見えてきます。
                 【 ’13.12.07 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   天高し雲は動かず動かせず   札幌市  関  泰輔

いくら科学が進歩しても、人力でどうにもならないのが気象現象を変えること。天地創造の神が、ここからこちらには来るなと言っておられるように思われる。「動かせず」に重石がある。                          【 宇多 喜代子 選 】


   知らぬ世へふつと行けさう霧の朝   東広島市  児山 順子

霧のたちこめた朝。霧の帳が未知の別世界を感じさせる。句意が深く通じるのは、「朝の霧」ではなく「霧の朝」であったから。          【 宇多 喜代子 選 】


   冬の蝶せんない花を渡りをり   東京都  榎  正好

「せんない」 は無益である、仕方ないの意味。死も近い冬蝶の切なさに、深く同化している。                               【 矢島 渚男 選 】


   ゼッケンに触れ秋空に残るバー   高槻市  越智 伸郎

棒高跳びか走り高飛びか。背中がバーに触れんばかりに跳んで、バーが落ちなければ成功。人間の姿を省略しゼッケンとバーだけで詠んだところがシャープである。
                                    【 正木 ゆう子選 】


   あの人が不意に逝った無灯火の自転車で俺を追ひぬき行った
                            つくば市  潮田  満

突然に亡くなった人への思い。 驚きと悲しみ、そしてつい抗議したくなる気持ちが下句の自転車の比喩に投影されている。            【 栗木 京子 選 】


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