目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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    鬼となること思いつつ豆を買う   八王子市  高松 正雄

今夜は節分の豆撒(ま)き。子どもたちのために面をかぶり、鬼になってやろう。どんな豆にしようか。                          【 矢島 渚男 選 】


  名前なきときを赤子は眠れるを 新米パパがいま呼ばんとす
                           千曲市  米沢 光人

生れてから命名までの何日間か。親や祖父母はそれぞれの決めた名で呼びかけている。 いよいよ新米パパが名前を付ける一瞬。 名前の持つ祈りと神秘が伝わってくる。                                 【 栗木 京子 選 】


   うめの花もうすぐさくよお母さん
          愛媛県 八幡浜市立松蔭小学校3年  二宮 陽葵

庭(にわ)の梅(うめ)のつぼみがほころんでいるのを見つけたのでしょう。家の中のお母さんに「もうすぐ咲(さ)きそうだよ」と教(おし)えてあげたのです。春を迎(むか)える喜(よろこ)びは、親(した)しい人と分かち合うことで、いっそう大きくなるのですよね。
                 【 ’14.03.01 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   遠き日の日本の空に凧一つ   北側 松太 ( きたがわ まつた )

凧(たこ)が空を漂っている。いま頭上に広がっている空ではなく遠い昔の青空に。人の心の奥にはいつでも帰ることのできる国があるのだろう。現実に倦(う)んだとき、ひとりでその国へ帰ってみる。その国の青空にはいつも凧がひとつ浮かんでいる。
                      【 '14.02.27 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】


   水仙やグラス危なきまで磨く   泉佐野市  高松 良子

グラスをぴかぴかに磨く。これ以上磨くと壊れるほどに。そこに水仙を挿した。「危なきまで」に鋭い感覚の冴(さ)えが見える。              【 矢島 渚男 選 】


   ふれ合うて互ひを知らずぼたん雪   川越市  益子さとし

ぼたん雪が互いに触れ合いつつ落ちてくるさまを描いた。雪片と雪片とが互いを知らないように、人間同士が交わっても知ることは難しい。人間を描いているともいえる。
                                     【 小澤  實 選 】


   雪だるまわたりろう下に現れる
       福岡県 福岡海星女子学園付属小学校6年  長沢クリンス

生徒の誰(だれ)かが渡(わた)り廊下(ろうか)のあたりに雪(ゆき)だるまを作(つく)っておいたのです。それを知らない作者(さくしゃ)は、思いがけない場所(ばしょ)で雪だるまに出くわして、びっくりしたのでしょうね。雪だるまが突然(とつぜん)現(あらわ)れたようで、愉快(ゆかい)な一句(いっく)です。
                【 ’14.02.22 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   いきながら氷りし金魚泳ぎだす   町田市  枝沢 聖文

いったん氷ってしまっても、ゆっくりととければ、金魚が生きていることがある。魚のもっている不思議な力を描いたともいえる。              【 小澤  實 選 】


   双子には二つの心龍の玉   香取市  多田 啓子  

なにもかもがよく似ているようの見えるのが双生児。 だが似た形の「龍の玉」の光がそれぞれ異なるように、心は一人一人で違う。 心の喩(たと)えとしての「龍の玉」が生きている。                            【 宇多 喜代子 選 】


   杖でなし釣竿でなし自然薯ぞ   前橋市  渡辺 みつこ

あれは杖(つえ)かな。いや、長いから釣竿(つりざお)かな。 近よってみれば、なんと自然薯(じねんじょ)ではないか。 自然薯は細く長く、なかには身長を超えるものもある。 独自な句形に諧謔(かいぎゃく)性ゆたか。        【 矢島 渚男 選 】


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