目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   地震にてずれたる鏡餅正す   取手市  杉野 寵児

地震でずれてしまった鏡餅を直している。淡々と述べているが、正月の地震は予告するようで不気味。                         【 矢島 渚男 選 】


  腐りゆく玉ねぎの皮剥ぎ取れば真白き芯あり我にはあるか
                          千葉市  西村 恵子

中までは腐っていないという発見。現在の自分を「腐りゆく玉ねぎ」に重ね合わせている点は、つらい状況を連想させる。が、まっ白な芯が自分にもあるかという問いかけは、とても前向きだ。                       【 俵  万智 選 】


   卒業式いつかは私も友達も
          北海道 砂川市立中央小学校5年  高橋  和

先輩たちが卒業していくのを見て、1年後の自分たちを想像したのでしょう。「私も友達も」とたたみかけるような調子でさびしさを訴えかけています。先輩のように立派(りっぱ)に卒業していこうという決意(けつい)もうかがえます。
                 【 ’14.03.15 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   卒業の日も自転車の二人乗り   さいたま市  藤井 明日香

貧しく自転車を買えない親友を後ろに乗せて通学してきた。卒業の日も同様である。ただ、明日からは別々の生活となる。 最後の行き返りを思うと、しみじみとしてくる。                                  【 小澤  實 選 】


   初恋の達磨ストーブ手をかざす   羽曳野市  鎌田  武

かつて学校の暖房は達磨(だるま)ストーブだった。それを囲んで友達と話した休み時間の楽しい思い出。わが初恋もそこで芽生えたという。田舎の駅の待合室などには今でもある。                          【 矢島 渚男 選 】


  病むわれにメビウスの輪形のマフラーを編みて送り来(く)遠く住む娘(こ)は
                             長崎市  谷川 博美

帯状のものを一回ねじって輪にするのが 「メビウスの和」。 裏も表もなくなる。病む母を案じて娘が送ってくれた、ちょっと風変わりな贈り物。うれしかった。
                                     【 小池  光 選 】


  「ピーマンのくたくた煮」とはカツ代さんよくぞ教えてくださいました
                           小金井市  桑原 礼子

1月に亡くなった調理研究家の小林カツ代さん。創意工夫に満ちたレシピは簡単にできて、おいしかった。ご冥福を祈ります。           【 栗木 京子 選 】


    ゆつくりと世間の動く四日かな   大阪狭山市  東谷 日出男

この「四日」は1月4日。 正月の三が日が過ぎ、日常が戻ってくる。 ハレからケに移る日時の経過を「世間の動く」で表現した。納得させられる句だ。
                                   【 宇多 喜代子 選 】


    息子棲む窓に投げよか雪つぶて   東京都  徳山 麻希子

あっさりと自立した息子が頼もしいような寂しいような恋しいような母の気持ちなのだろう。悪戯(いたずら)っぽい詠み方が、いっそう微笑(ほほえま)ましい。
                                   【 正木 ゆう子 選 】


   嚔して一瞬俺の消えにけり   千葉市  小林  昭

大きな嚔(くしゃみ)をした時、たしかに一瞬世界が遠ざかるような印象がある。 逆にいえば、「俺の消えにけり」。この表現では悪い気はしない。嚔の美点を発見したのだ。                                 【 小澤  實 選 】


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