目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
瞽女のように雁一列に帰り行く 喜多方市 五十嵐 信広
雁(かり)が北の空へ帰る季節になった。それを見ていて昔瞽女(ごぜ)――盲目の女芸人たちが雪の道を一列になって帰ってゆく姿に重なった。 斉藤真一が描いた瞽女の絵のように。 【 矢島 渚男 選 】
雁(かり)が北の空へ帰る季節になった。それを見ていて昔瞽女(ごぜ)――盲目の女芸人たちが雪の道を一列になって帰ってゆく姿に重なった。 斉藤真一が描いた瞽女の絵のように。 【 矢島 渚男 選 】
何故に如何にと問はざる者ら卒業す さいたま市 藤井 恵
何故(なぜ)だろう、どうしたらいいのかと自問しない若者たちが今年も卒業して行く。 そうした感想を持つ作者。 知識や技術だけではなく「疑う」こと、「考える」ことを教えるのが本当の教育ではないだろうか。 【 矢島 渚男 選 】
何故(なぜ)だろう、どうしたらいいのかと自問しない若者たちが今年も卒業して行く。 そうした感想を持つ作者。 知識や技術だけではなく「疑う」こと、「考える」ことを教えるのが本当の教育ではないだろうか。 【 矢島 渚男 選 】
雪解けの遠野に河童捕獲人 久慈市 和城 弘志
遠野の河童(かっぱ)、伝説のなかのふしぎな生き物であるが、捕らえようとしている人を描いたのが、おもしろい。作者自身なのかもしれない。 【 小澤 實 選 】
遠野の河童(かっぱ)、伝説のなかのふしぎな生き物であるが、捕らえようとしている人を描いたのが、おもしろい。作者自身なのかもしれない。 【 小澤 實 選 】
いささかの塩を振りかけ愛用の自転車出したり廃品として
岡山市 福光 繁子
モノにも命がある。感謝の意を込めて自転車に塩を振りかけている。数々の愛しい思い出に振りかける塩でもあるのだろう。 【 栗木 京子 選 】
岡山市 福光 繁子
モノにも命がある。感謝の意を込めて自転車に塩を振りかけている。数々の愛しい思い出に振りかける塩でもあるのだろう。 【 栗木 京子 選 】
一合の酒いつぽんの山桜 奥名 春江 ( おくな はるえ )
桜の季節になった。この句、ひとり山に出かけて野生の桜を眺めている。一合の酒というもののコンビニで買ったカップ酒かもしれない。ほかにも桜の木はあるが、その中に気に入った一本がある。ちょっと淋(さび)しくて満ち足りた一刻。
【 '14.03.29 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
桜の季節になった。この句、ひとり山に出かけて野生の桜を眺めている。一合の酒というもののコンビニで買ったカップ酒かもしれない。ほかにも桜の木はあるが、その中に気に入った一本がある。ちょっと淋(さび)しくて満ち足りた一刻。
【 '14.03.29 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
少年の消えてぶらんこ揺れてをり 山口県 曽我 欣行
「少年の降りて」 だったら、まったく当たり前。 「消えて」 で生きた。 意識がちょっと途切れた感じ。 少年は現実世界の存在ではなく、 幻だったのかもしれない。
【 矢島 渚男 選 】
「少年の降りて」 だったら、まったく当たり前。 「消えて」 で生きた。 意識がちょっと途切れた感じ。 少年は現実世界の存在ではなく、 幻だったのかもしれない。
【 矢島 渚男 選 】
梅干は真ん中にあり雲雀きく 大津市 山本 清
弁当箱もお結びも、梅干は真ん中と決まっている。雲雀(ひばり)の囀(さえず)りを聞きながらの、野のランチ。クローズアップされた「真ん中」の「梅干」だけで、嬉(うれ)しさが伝わる。 【 正木 ゆう子 選 】
弁当箱もお結びも、梅干は真ん中と決まっている。雲雀(ひばり)の囀(さえず)りを聞きながらの、野のランチ。クローズアップされた「真ん中」の「梅干」だけで、嬉(うれ)しさが伝わる。 【 正木 ゆう子 選 】
思ひ立ちてもとめし『西行全歌集』たのしくもあるか晩学の道
前橋市 矢端 桃園
西行は古今の歌人の中でも五指に入る奥深い歌人です。きっと良い影響が得られるはずです。 【 岡野 弘彦 選 】
前橋市 矢端 桃園
西行は古今の歌人の中でも五指に入る奥深い歌人です。きっと良い影響が得られるはずです。 【 岡野 弘彦 選 】
雪かきをすれば下校の子供らは雪ある道をえらび歩きぬ
仙台市 岩間 啓二
せっかく歩きやすくしてやったのに、わざわざ雪のところを行く子ども。大人と子どもの対照が、的確かつ楽しい。 【 俵 万智 選 】
仙台市 岩間 啓二
せっかく歩きやすくしてやったのに、わざわざ雪のところを行く子ども。大人と子どもの対照が、的確かつ楽しい。 【 俵 万智 選 】
日向ぼこ陽ほど静かなものはなし 長野市 上野 ただし
平明だが、太陽をこんな風に詠んだ句はありそうで無いかもしれない。巨大にして無音。すべての命にエネルギーを送りつつ、静か。 【 正木 ゆう子 選 】
平明だが、太陽をこんな風に詠んだ句はありそうで無いかもしれない。巨大にして無音。すべての命にエネルギーを送りつつ、静か。 【 正木 ゆう子 選 】