目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
美しき文字にて届く花便り 船橋市 峰川 花子
今では少数となった手紙派。それも美しい文字。だから嬉しいとは詠まれてはいないが、その気持ちが伝わる。 俳句の俳句たるところだ。 【 宇多 喜代子 選 】
今では少数となった手紙派。それも美しい文字。だから嬉しいとは詠まれてはいないが、その気持ちが伝わる。 俳句の俳句たるところだ。 【 宇多 喜代子 選 】
学校の輝いてゐる桜かな 日高市 滝 秀子
この学校の桜の「輝き」がわかるのは、他の花とはちがう桜の来歴のわかる日本人固有の感性であろう。やがてこの桜も <さまざまの事おもひ出す桜かな> になる。
【 宇多 喜代子 選 】
この学校の桜の「輝き」がわかるのは、他の花とはちがう桜の来歴のわかる日本人固有の感性であろう。やがてこの桜も <さまざまの事おもひ出す桜かな> になる。
【 宇多 喜代子 選 】
雨にも負けず風にも負けず鴉の巣 秋田市 中村 栄一
宮沢賢治の詩が引用され、鴉(からす)と賢治とが重なる。鴉も必死に生きていると感じさせてくれる。 嫌われものの鴉を見る視線がやさしい。 【 小澤 實 選 】
宮沢賢治の詩が引用され、鴉(からす)と賢治とが重なる。鴉も必死に生きていると感じさせてくれる。 嫌われものの鴉を見る視線がやさしい。 【 小澤 實 選 】
母逝きて春を惜しむに似たるかな 千葉市 熊谷 貢
高齢の穏やかな死が想像されるが、たとえそうであっても、ここまで安らかな追悼句は珍しい。母上の人柄、人生、作者との関係、そのすべてが詠ませた一句だろう。
【 正木 ゆう子 選 】
高齢の穏やかな死が想像されるが、たとえそうであっても、ここまで安らかな追悼句は珍しい。母上の人柄、人生、作者との関係、そのすべてが詠ませた一句だろう。
【 正木 ゆう子 選 】
汐干潟そろそろ穴に戻ろうか 豊中市 谷口 国人
潮が引いた砂浜には蟹(かに)をはじめ、いろいろな生き物が忙しく働いていたが、もう夕暮れで潮も満ちてきた。お前たちもそろそろ穴に戻るか、俺もねぐらに帰ることにしよう。 【 矢島 渚男 選 】
潮が引いた砂浜には蟹(かに)をはじめ、いろいろな生き物が忙しく働いていたが、もう夕暮れで潮も満ちてきた。お前たちもそろそろ穴に戻るか、俺もねぐらに帰ることにしよう。 【 矢島 渚男 選 】
囀りを撮るといふ人雑木山 町田市 枝沢 聖文
見映えのしない雑木山で撮影している人に出会った。 「何を撮っているのですか」「囀(さえず)りを撮っているんです」。 小鳥を撮っていたのだ。 【 矢島 渚男 選 】
見映えのしない雑木山で撮影している人に出会った。 「何を撮っているのですか」「囀(さえず)りを撮っているんです」。 小鳥を撮っていたのだ。 【 矢島 渚男 選 】
藤椅子に深く座れば見ゆるもの 星野 高士 ( ほしの たかし )
藤(とう)椅子に深く座るだけのことだが、ゆったりと落ち着いた心境まで想像される。すると、庭の景色がいつもと違って見えたるする。いままで見えなかった木の花が見えることもある。人の心の中が手にとるように見えることもあるだろう。
【 '14.05.15 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
藤(とう)椅子に深く座るだけのことだが、ゆったりと落ち着いた心境まで想像される。すると、庭の景色がいつもと違って見えたるする。いままで見えなかった木の花が見えることもある。人の心の中が手にとるように見えることもあるだろう。
【 '14.05.15 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
永き日やクッキー作りジャム作り 北九州市 佐藤 静香
「永き日」のありがたさは、細々としたことがあれこれできること。おだやかな一日であったことがよくわかる。 【 宇多 喜代子 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一年生呼ばるる良き名よき返事 仙台市 勝 美彰
「永き日」のありがたさは、細々としたことがあれこれできること。おだやかな一日であったことがよくわかる。 【 宇多 喜代子 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一年生呼ばるる良き名よき返事 仙台市 勝 美彰
沙翁の忌黙して去りしひとばかり 郡山市 高木 茂子
沙翁はシェークスピア。忌は4月23日。しかしそれを詠(うた)ったのではなく、被災地の人であることを思うと放射能から避難して 「みんな黙って去っていった」 という事情か、それとも身辺の急死者だろうか。 それが、悲劇の終幕を思わせる。
【 矢島 渚男 選 】
沙翁はシェークスピア。忌は4月23日。しかしそれを詠(うた)ったのではなく、被災地の人であることを思うと放射能から避難して 「みんな黙って去っていった」 という事情か、それとも身辺の急死者だろうか。 それが、悲劇の終幕を思わせる。
【 矢島 渚男 選 】
快晴に疲れてゐたり花辛夷 小平市 土井ノ内 寛子
年齢を重ねてくると、快晴がうれしくない、ちょっとつらいという体調もある。辛夷(こぶし)の花も茶色に変色してきて、終わりが近いようだ。 【 小澤 實 選 】
年齢を重ねてくると、快晴がうれしくない、ちょっとつらいという体調もある。辛夷(こぶし)の花も茶色に変色してきて、終わりが近いようだ。 【 小澤 實 選 】