目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   頑固さは嚏 (くさめ) ひとつで露呈せし   横浜市  小林 敏和

こういうこと、確かにある。なにしろ生理現象だから、取り繕いようがない。「露呈」が可笑しい。一応秘めてはいるのである。              【 正木 ゆう子 選 】


   思ひ出す若き母との藁蒲団   匝瑳市  椎名 貴寿

寒くなると藁蒲団(わらぶとん)に母と寝た幼い日の思い出がよみがえる。 寒いけれどきっと暖かかったのだろう。 これは綿布団が普及する前に使われていた稲しべを詰めた布団。                            【 矢島 渚男 選 】


   冬の朝黄色い半旗掲げけり   流山市  伝田 幸男

高倉健さんが亡くなったことを知った朝に、かつて感銘を受けた映画の題名から、黄色いハンカチを掲げたのだ。半旗は弔意を表す。      【 矢島 渚男 選 】


   ゴキッチョと鳴く声きけばうづらかな   岸和田市  北野 照夫

「ご吉兆」と聞きなして、声を愛でるために飼うという。鶉(うずら)といえば卵しか知らない私は、今年も投句から様々なことを教えられた。      【 正木 ゆう子 選 】


   雪吊りのことに美しリンゴ吊り   豊橋市  河合  清

幹に添って柱を立て、天辺から放射状に縄を張るのをリンゴ吊りといい、最も一般的とか。雪吊りにもそれぞれ名前があることを知る。      【 正木 ゆう子 選 】


   切る前も海鼠切られし後もまた   秋田市  中村 栄一

切る前の海鼠(なまこ)も、切って幾つかになってしまっていても、同じものであるという。当たり前のようでいて真実を捉えた。禅味も感じる。     【 小澤  實 選 】


   何一つ分からぬままにまだ海鼠   茨木市  瀬戸 順治 

地球生物の進化の歴史の中で5億年もの昔に出現したナマコ。暗愚のまま、今もその儘だ。自分だって何も分からぬままかもしれないという自省が重なっていようか。
                                    【 矢島 渚男 選 】


   横歩きして懸大根の中通る   神奈川県  石原 美枝子

通路を狭めるほどに懸けられた大根。前後左右を大根に囲まれた様子がいささかの滑稽を誘う。                          【 宇多 喜代子 選 】


   熊の子がをり熊の目の遠からず   東京都  望月 清彦

熊の子が出てきている。 ということは親熊が、近いところで見守っているはず、というわけだ。 熊の子はかわいいが、親熊はこわい。 どう この場から非難したらいいか。 
                                     【 小澤  實 選 】


  小田剛一も良き名前なり健さんの映画も素顔も剛健なまま
                           藤岡市  渡辺 秀子

12月に亡くなった俳優の高倉健氏。高倉健という名は魅力的だが、本名の小田剛一も、いかにも氏の実直な生き方を表しているように思われる。ご冥福をお祈りします。                               【 栗木 京子 選 】


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