目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
夢多き年末ジャンボ外れてもいつもと変わらぬ今に乾杯
東京都 町田 サチ
外れてがっかり、というのではない。宝くじに夢を託すことも、はずれて 「いつも通り」であることも、どちらも否定していないところが魅力的だ。 【 俵 万智 選 】
東京都 町田 サチ
外れてがっかり、というのではない。宝くじに夢を託すことも、はずれて 「いつも通り」であることも、どちらも否定していないところが魅力的だ。 【 俵 万智 選 】
いつも見る夢をまた見て冬籠 青森市 小山内 豊彦
この夢は睡眠中の夢ではなく、雪の中での空想夢想の夢であろう。いずれ春が来る。夢の果てにはそんな楽しみもあるのではないか、 【宇多 喜代子 選 】
この夢は睡眠中の夢ではなく、雪の中での空想夢想の夢であろう。いずれ春が来る。夢の果てにはそんな楽しみもあるのではないか、 【宇多 喜代子 選 】
除夜の鐘半分程で寝る子かな 北秋田市 坂 一草
除夜の鐘を聞こうとがんばって起きていたこどもである。 半分ほど聞いたら、 もう 十分目的は果たしたのである。 何ともかわいらしい。 【 小澤 實 選 】
除夜の鐘を聞こうとがんばって起きていたこどもである。 半分ほど聞いたら、 もう 十分目的は果たしたのである。 何ともかわいらしい。 【 小澤 實 選 】
子らが行き一合半の米を研ぐ新幹線は座れたろうか
角田市 伊藤 久美子
米の分量と、下の句のそ心配。どちらも具体的で、少ないとか、心配だとか言わずに寂しさを伝えているところがいい。 【 俵 万智 選 】
角田市 伊藤 久美子
米の分量と、下の句のそ心配。どちらも具体的で、少ないとか、心配だとか言わずに寂しさを伝えているところがいい。 【 俵 万智 選 】
一つきが思い出いっぱい除夜の鐘
石川県 金沢市立木曳野小学校5年 山口 紗和
1年の最後(さいご)の夜、お寺に除夜の鐘をつきにいった紗和さん。自分の手で、ゴーンと見事に鐘を鳴らしたのです。その音をきっかけに、1年のさまざまな思い出があふれてきました。1回の鐘の音で、たくさんの思い出が引き出されてきた、ということで、除夜の鐘の一つきの重みが表現(ひょうげん)されています。
【 ’15.01.31 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
石川県 金沢市立木曳野小学校5年 山口 紗和
1年の最後(さいご)の夜、お寺に除夜の鐘をつきにいった紗和さん。自分の手で、ゴーンと見事に鐘を鳴らしたのです。その音をきっかけに、1年のさまざまな思い出があふれてきました。1回の鐘の音で、たくさんの思い出が引き出されてきた、ということで、除夜の鐘の一つきの重みが表現(ひょうげん)されています。
【 ’15.01.31 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】
わくわくす高が目高の卵見て 町田市 枝沢 聖文
「囀(さえずり)りを撮るといふ人雑木山」、「つぎつぎと堰に飛びつき鮎上る」、
「土俵さえ凹めて力相撲かな」など新鮮な発想と確かな写実力を見せた枝沢聖文氏を推す。 この句は水槽の目高が藻の中に産んだ小さな卵を見付けた感動を詠っている。 「わくわくす」と素直に、そして「高が」と屈折する気持ちに及ぶ表現が見事であり感銘を受けた。 【 矢島 渚男 選 】
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何百年経ても八月十五日 川崎市 羽根田 明
昭和20年8月15日を知る人ならではの句。その体験がなければ 「何百年経ても」という強い言葉は出ては来なかったろうと思う。あの悲劇を後世に残したくないという祈念の言葉。思いの深さを句にすることは至難だが、自分の感慨を述べる事を絶ったことで、そこが強く見える句となった。 【宇多 喜代子 選 】
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汗の子を捕へてみれば滑るなり 相模原市 芝岡 友衛
走り回っている子供を戯れに捕えようとしたら、ぷりぷりの体が汗で濡れて、つるっと滑る。 エネルギーの塊のような子は、おそらくお孫さんだろう、と思うのは、この句が とても客観的だからだ。 中七も、さりげないが、味のある表現。 触感に徹した句であればこそ、子供の生命力が読み手にまで伝わってくる。 【 正木 ゆう子 選 】
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木蓮やガラムマサラの匂ふ夜 名古屋市 大島 知津
まず素材が新鮮だった。「ガタムマサラ」はインド料理に使う調味料。 カレーに この粉末を振ると、さらに香り高くなる。 木蓮は折り取った一枝が室内に生けてあるのか。 窓から花がのぞいているのか。 エキゾチックな色と香を持つ花とインド産の香辛料とが、よく響きあっている。斬新な取り合わせに強く惹(ひ)きつけられた。
【 小澤 實 選 】
「囀(さえずり)りを撮るといふ人雑木山」、「つぎつぎと堰に飛びつき鮎上る」、
「土俵さえ凹めて力相撲かな」など新鮮な発想と確かな写実力を見せた枝沢聖文氏を推す。 この句は水槽の目高が藻の中に産んだ小さな卵を見付けた感動を詠っている。 「わくわくす」と素直に、そして「高が」と屈折する気持ちに及ぶ表現が見事であり感銘を受けた。 【 矢島 渚男 選 】
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何百年経ても八月十五日 川崎市 羽根田 明
昭和20年8月15日を知る人ならではの句。その体験がなければ 「何百年経ても」という強い言葉は出ては来なかったろうと思う。あの悲劇を後世に残したくないという祈念の言葉。思いの深さを句にすることは至難だが、自分の感慨を述べる事を絶ったことで、そこが強く見える句となった。 【宇多 喜代子 選 】
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汗の子を捕へてみれば滑るなり 相模原市 芝岡 友衛
走り回っている子供を戯れに捕えようとしたら、ぷりぷりの体が汗で濡れて、つるっと滑る。 エネルギーの塊のような子は、おそらくお孫さんだろう、と思うのは、この句が とても客観的だからだ。 中七も、さりげないが、味のある表現。 触感に徹した句であればこそ、子供の生命力が読み手にまで伝わってくる。 【 正木 ゆう子 選 】
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木蓮やガラムマサラの匂ふ夜 名古屋市 大島 知津
まず素材が新鮮だった。「ガタムマサラ」はインド料理に使う調味料。 カレーに この粉末を振ると、さらに香り高くなる。 木蓮は折り取った一枝が室内に生けてあるのか。 窓から花がのぞいているのか。 エキゾチックな色と香を持つ花とインド産の香辛料とが、よく響きあっている。斬新な取り合わせに強く惹(ひ)きつけられた。
【 小澤 實 選 】
梟の何かに耐へてゐる時間 秋田市 中村 栄一
夜行性の猛禽 (もうきん) の梟 (ふくろう) は、 昼間は目を閉じじっとしている。 その時間を「耐えている」ととらえた。つい動けばいいのにと思うのだが、たぶん梟には至福の時間なのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
夜行性の猛禽 (もうきん) の梟 (ふくろう) は、 昼間は目を閉じじっとしている。 その時間を「耐えている」ととらえた。つい動けばいいのにと思うのだが、たぶん梟には至福の時間なのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
訪(と)ひくれし子は風花を帰りけり 鶴岡市 広瀬 弘
午後も遅くなり、空気が冷えてきて風花が舞う。帰って行くのは娘さんか。その後ろ姿を見送る。しみじみと父情の滲(にじ)む静かな句だ。 【 正木 ゆう子 選 】
午後も遅くなり、空気が冷えてきて風花が舞う。帰って行くのは娘さんか。その後ろ姿を見送る。しみじみと父情の滲(にじ)む静かな句だ。 【 正木 ゆう子 選 】
卵黄が真中になるよう転がして茹でる間に悔やむ子育て
東久留米市 小林 久枝
黄身が片寄らないように卵を茹(ゆ)でる。 こんなふうにこまやかに子育てをすればよかったのか。あるいはもっと自然体の方がよかったのか、と悔やむ。子育ての悩みは深い。 【 栗木 京子 選 】
東久留米市 小林 久枝
黄身が片寄らないように卵を茹(ゆ)でる。 こんなふうにこまやかに子育てをすればよかったのか。あるいはもっと自然体の方がよかったのか、と悔やむ。子育ての悩みは深い。 【 栗木 京子 選 】
こないだも聞いた覚えの除夜の鐘 厚木市 山本 啓介
「こないだ」は「このあいだ」が転化した言葉。 歳晩の感慨にふさわしい。 「除夜の鐘」を聞きながら一年の早さを思う。 【 宇多 喜代子 選 】
「こないだ」は「このあいだ」が転化した言葉。 歳晩の感慨にふさわしい。 「除夜の鐘」を聞きながら一年の早さを思う。 【 宇多 喜代子 選 】